受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

品川女子学院中等部

2024年9月12日(木)

28歳の自分を思い描きながら
「起業マインド」を育てる

 品川女子学院は、「世界をこころに、能動的に人生を創る日本女性の教養を高め、才能を伸ばし、夢を育てる」を教育目標に掲げる女子進学校です。

 説明会の冒頭、理事長の漆紫穂子先生は、学校の設立母体である荏原婦人会が関東大震災の際に避難所を運営した歴史を紹介しながら、「本校の生徒は、『率先して行動する』『チームで動く』『人の役に立つことが自分の喜び』というタイプが多いです」と話しました。そして、近年の日本では、出産後も働き続ける女性が増える一方で、男女の雇用状況にいまだに差があることに触れ、「女性だからこそ、スキルや資格といった“学習歴”を重視する必要があります」と力説しました。

 こうした漆先生の考えを基に生まれたのが「28project」です。多くの女性が仕事で一定の実績を積む一方で、結婚や出産に向き合うことになる年齢を28歳と設定し、生徒一人ひとりがそこに向かって能動的に人生設計できるよう、同校ではさまざまな取り組みを行っています。

 その内容については、中等部校長の神谷岳先生から詳しい説明がありました。同校が特に重視しているのが「起業マインド」の育成です。起業マインドとは、自分で積極的に社会の問題を発見し、さまざまな人を巻き込んで、問題解決に一歩踏み出す力のこと。「問題発見力」「共感力」「発信力」「内省力」などを育てるために、同校では、企業や地方自治体の協力を得ながら、さまざまな特別講座や起業体験プログラムなどを実施しています。

きめの細かい学習サポートで
確かな知識と教養を身につける

 学校生活については、高等部校長の権藤英信先生から説明がありました。同校では選抜クラスは設けず、習熟度別授業を中3以降、英語や、高2・3の理系数学などで実施しています。一方で、個々の生徒の苦手科目については、指名補習や質問教室などでフォローします。得意な科目については、高等部で希望者を募っての発展講習が行われています。権藤先生によると、「日々の学習法の指導はもちろん、長期休暇中の講習や、進学ガイダンスによる情報提供も実施し、大学受験までしっかり面倒を見ていきます」とのことです。その結果、2024年3月の卒業生186名のうち21名が東京大学を含む国公立大学に、のべ47名が早慶上理ICUに、のべ112名がGMARCHに合格しました。

 グローバル教育にも力を入れています。中3の海外修学旅行では、全員がニュージーランドでホームステイをしながら現地校の生徒たちと交流を深めます。高1の希望者を対象とする留学プログラムには毎年約30名が参加し、提携校や姉妹校で3か月~1年間を過ごしています。海外からの留学生も受け入れているため、国内にいながら国際交流が可能です。また、英語の外部検定の面接や大学入試のライティング対策として、ネイティブスピーカーによる個別指導も行っています。

 最後に、2025年度の入試について説明がありました。多様な才能を受け入れるため、同校では4種類の入試を実施しています。2月1日午前と2日午前は4科、1日午後は算数1教科、4日午前は表現力・総合型入試で、帰国生入試は11月に行われます。

イメージ写真 2022年に完成した新校舎の廊下はとても広く、生徒たちの話し合いや交流のスペースにもなっています

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