受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

高輪中学校

2024年9月9日(月)

物事の、目に見えない側面を見つめて
本質を探究する教育を実践

 高輪中学高等学校の前身は、京都にある西本願寺が1885年に創設した「普通教校」です。1901年に現在の高輪に移転後、1906年に西本願寺から独立しました。このとき、仏教との関係を離れ、新時代にふさわしい教育機関として「高輪中学校」と改称されたのです。2014年からは完全中高一貫校となり、受験者数も年々増加しています。

 この日の説明会では、最初に校長の平野豊先生があいさつに立ち、「見えるものの奥にある見えないものを見つめよう」という教育理念について、「何事も表面だけで判断せず、内面の深い部分に目を向けて、本質を探究しようという意味です。多感な中高生の時期に、目に見えない心の成長も大切にして、みずから考え、本質を探究する姿勢を育んでいきます」と述べました。

 同校では「人を育てる指導」「大学へ進学させるための指導」の二つを教育目標に掲げています。一つ目の「人を育てる指導」では、生徒の社会的自立のため、基本的な生活習慣を確立させ、仲間と信頼関係を築く力を養います。専任の教員の割合は8割を超えており、多くの教員の目で生徒を見守っていきます。二つ目の「大学へ進学させるための指導」では、中高6年分の内容を高2までに学び終える先取り教育を行い、高3の授業は演習が中心になるということです。その進度は速く、家庭学習・講習・指名補習などでしっかりと知識を定着させていきます。

 最後に平野先生は、校訓の「自主堅正」を紹介し、「学びを通じて自分を育て、今よりもあともう少し、もう少しと自分を磨いていこうとする姿勢を大切にしています」と結びました。

先取り教育・豊富な体験学習・部活動で
バランスの取れた人間形成をめざす

 次に、教頭の江口崇先生が具体的な教育内容について説明しました。同校では、生徒の発達段階に合わせて、中高6年間を前期・中期・後期の三期に分けて指導しています。

 前期の中1・2では、基礎学力の徹底と人間関係の構築を重視し、生活面では身だしなみや公共マナーなどを重点的に指導をします。学習面では、課題提出やテストの準備を確実に行わせます。成績不振者を出さないように、指名制の補習も実施しています。

 中期の中3・高1は選択・決定の時期として位置づけ、大学受験に向けた文系・理系の選択に役立つ職場見学や大学見学などの機会を多く設けています。

 後期の高2・3は、学校生活の総仕上げとして大学受験に向かう時期です。友人と絆を深め、部活動や行事を通して後輩の育成にも努めていきます。

 また、資格検定試験の受検を奨励しています。中3修了時点で、数検準2級以上を取得している生徒は7割超、英検®準2級以上を取得している生徒は4割超に上るとのことです。

 体験学習にも力を注いでいます。長野県の白樺高原を訪れる自然体験学習(中1)、静岡県伊豆地方で行う農工芸体験学習(中2)、沖縄の歴史・文化に関する知識を深める西日本探訪(中3)、全員でオーストラリアを訪問する海外学校交流(高2)などが紹介されました。アメリカ、ニュージーランドで行う希望制の語学研修は非常に人気が高く、毎年、多くの生徒が参加しているそうです。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 生徒たちの多くは泉岳寺の境内を通って登校します。周辺には寺院や神社、旧高松宮邸などがあり、閑静な学習環境も魅力です

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