受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

大妻多摩中学校

2024年9月6日(金)

科学教育・国際教育・教養教育を柱に、生徒の適性を伸ばす

 大妻学院の出発点は、学祖である大妻コタカが1908年に設立した、裁縫と手芸の私塾にさかのぼります。多摩に高等学校が誕生したのは、それから80年後の1988年です。その6年後の1994年に中学校が併設されました。大妻女子大学の多摩キャンパス内に位置する、緑豊かな学習環境のなかで、生徒たちは伸び伸びと学校生活を送っています。

 この日の説明会の冒頭、校長の熊谷昌子先生は、教育理念である「自立自存」「寛容と共生」「地球感覚」の三つを、大妻コタカの生涯に重ねながら紹介し、「わたしたちは予測困難な未来社会のなかで、活躍・貢献する女性の育成をめざしています。一人ひとりの適性に応じた進路を見つける『進路の個別最適化』を通して、自分の力で未来を切り開いていける女性になってほしいのです」と話しました。

 その実現のために策定したグランドデザインが「Tsumatama SGL」です。SGLとは、「Science」「Global」「Liberal Arts」の頭文字で、その名の通り、「科学教育」「国際教育」「教養教育」の三つを教育の柱としています。特に教養教育については、科学教育と国際教育を支える土台として重視しており、中1の「人間関係スキル講座」や中2の「ハンディキャップ体験」、高1の「探究基礎」などを通して、自分と異なる意見や立場を理解したうえで自分自身の考えをアウトプットする習慣を身につけます。最近では、外部での活動に力を入れる生徒も増えているそうで、先日行われた「高校選抜探究リーグ」(三菱みらい育成財団が助成)では、同校の生徒が総合3位に入賞しました。熊谷先生は「これらの機会を通して、今後も自分の力を他者のため、社会のために生かしてほしい」と話します。

 続いて、英語科の須田珠遙先生から英語・国際教育についての説明がありました。同校では、英語の学習について、中1・2を「Base」、中3・高1を「Challenge」、高2・3を「Career」の時期として、成長段階に合わせたテーマを設定しています。たとえば、中1では、世界各地からの留学生と一緒に将来の進路について考える「グローバル・インタラクション・チャレンジ」を、中2では、全員でオーストラリアに行き、現地の高校生や大学生と交流し、日本企業で働く人にインタビューする「グローバル・キャリア・フィールドワーク」を経験します。

 また、中2から高1までは、1学年4クラスのうち1クラスを「国際進学クラス」、残り3クラスを「総合進学クラス」として、レベルに応じた目標を設定しています。たとえば、卒業までの英検®取得は、国際進学クラスでは準1級以上、総合進学クラスでは2級以上をめざします。加えて、高1の3学期に、6か国の協定校のなかから行き先を選択できる「海外ターム留学」を実施します。国際進学クラスの生徒は希望者全員が参加できるそうです。

 そして、最後に、進路指導部副部長の村上晴彦先生が卒業後の進路について説明しました。村上先生によると、同校では創立以来、理系志望者が全体の35%を下回ったことはないそうです。実際、今年3月の卒業生も51%が理系学部に進学しました。村上先生は、生徒の理数科目への興味を喚起する秘訣として、火山灰の観察や丸鶏の解剖、遺伝子組み換え実験など、多彩な実験プログラムの数々を紹介しながら、「5室ある実験室、生徒全員に1台ずつ行き渡る顕微鏡など、設備面も充実しています。サイエンスの扉を開く機会がたくさんありますので、ぜひ、楽しみにしていてください」と締めくくりました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 約4万冊の蔵書を誇る図書館。2階はブースに区切られた自習スペースとなっており、生徒たちの学びの拠点となっています

www.otsuma-tama.ed.jp 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ