受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京都立武蔵高等学校附属中学校

2024年9月6日(金)

完全中高一貫制の下、国際社会に貢献できる知性豊かなリーダーを育成

 東京都立武蔵高等学校附属中学校は、前身である東京府立第十三高等女学校の創立から84年の歴史を持つ伝統校です。2008年に附属中学校を併設して中高一貫教育校となり、2021年に高校募集を停止しました。それ以来、「豊かな知性と感性」「健康な心と体」「向上進取の精神」を教育目標に掲げ、完全中高一貫制の下で、「国際社会に貢献できる知性豊かなリーダー」の育成をめざしています。

 オンラインで開催されたこの日の説明会で、校長の堀江敏彦先生は「学習したことを生かす力」「課題解決に取り組む力」「自らを社会に活かす力」という三つのカリキュラム・ポリシーを紹介しました。そして、「しっかりとしたスケジュール管理の下で学び続けること、主体的かつ協働的に考えること、6年間かけて自分の将来をじっくり考え、夢を実現することが大切です」と続けました。

 同校の大きな特徴の一つは、中1から高1にかけて体系的に取り組む「地球学」という探究授業です。そこでは、グループ研究や発表を中心に、SDGsの達成やウェルビーイングの実現といった地球的規模の課題について、仮説を立て、探究し、解決策を考えます。

 また、変化の激しい現代社会で活躍できる人材の育成をめざし、今年度から東京都教育委員会の「東京サイエンスハイスクール」指定校となりました。理数分野に興味・関心を持つ生徒の力をさらに伸ばすために、Tokyoサイエンスフェア(「科学の甲子園東京都大会」および「研究発表会」)、各種コンテスト、学術学会などへの参加も支援しています。

 同校は海外学校間交流推進校の指定校にもなっており、「TOKYO GLOBAL GATEWAY体験学習」(中3)、オーストラリア語学研修(高1)、海外の英会話講師とマンツーマンで会話をするオンライン英会話(高2)などで、身につけた英語力をアウトプットする経験を重ね、表現力を鍛えていきます。先の「地球学」でも、個人研究の概要を英語で発表する機会を設けているそうです。なお、今年度は9月の時点で中3の3割以上が英検®2級以上を取得しています。

 中高6年間の充実した学びの成果として、進学実績も好調です。今年度は、卒業生のおよそ5人に1人が難関国公立大学や医学部医学科に進みました。また、早慶上理には121名、私立大学医学部医学科には2名が合格したそうです。

 最近の受検者数の動きについても説明がありました。近年、都立の中高一貫校の受検者数は減る傾向にありますが、音楽祭・文化祭・体育祭などの学校行事や部活動が盛んということもあって、他の都立中高一貫校に比べると、同校の減少幅は少ないそうです。

 一方、保護者から寄せられる意見に対する、学校の考え方にも言及しました。「宿題が多い」という意見については、「授業で学習した内容は、家庭で取り組む宿題を通して自分のものにするしかありません。基礎・基本を自分の力で身につけるため、宿題は他校と同様に出します。また、授業のスタイルは先生によってさまざまですが、目的地は一緒ですので、ぜひ多様な学習方法で取り組んでほしいと考えています」と理解を求めました。「授業の進度が速すぎる」という意見に対しては、「学校生活に慣れてくると集中力が落ちてきますが、『初心忘るべからず』です。一生懸命がんばりましょう」とのことでした。なお、中学では、集団で行動するための知恵として校則を設けていますが、中学3年間で習慣化されるため、高校では校則を設けていません。

 最後に、適性検査についての説明もありました。同校の適性検査では、文章を読み取る力(I)、会話文・資料を読み考察する力(Ⅱ)、リーダーとして分析・計画をする力(Ⅲ)が求められるとのことです。詳しくは学校説明会で配布される資料やホームページをご確認ください。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 JR・西武多摩川線「武蔵境」駅から徒歩約10分。運動設備も充実しており、部活動が盛んです

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