受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京都立立川国際中等教育学校

2024年9月3日(火)

「物事の本質を見抜く力」をもった、国際社会で活躍し貢献できるリーダーを育成

 東京都立立川国際中等教育学校は、2008年の開校以来、「国際社会で貢献できるリーダーとなるために必要な学業を修め、人格を陶冶する」という教育目標を掲げ、多彩な国際教育を推進しています。2022年4月には附属小学校が開校し、公立では全国初の小中高一貫教育校となりました。

 この日のオンライン説明会に登壇した校長の横田雅博先生は、「本校では、『立志の精神』『共生への行動』『感動の共有』という三つのスクールポリシーに基づき、生徒と教員がさまざまな活動に取り組んでいます。また、1・2年生(中1・2)をBUILD期、3・4年生(中3・高1)をCHALLENGE期、5・6年生(高2・3)をCREATE期と位置づけています」と話しました。

 続いて、特徴的な四つの学びについて紹介がありました。一つ目の「立国LEADERプログラム」は総合的な学習の時間と総合的な探究の時間を中心とした探究プログラムです。1年生では探究の手法や教養を身につけ、2年生では職場体験を通して企業の課題解決に挑みます。3年生では4・5年生での研究計画書を作成し、それに基づいて4・5年生では「社会課題探究」「地域提案型探究」「理数探究」の3分野のなかから自分の興味に沿った個人探究活動を行い、論文にまとめて発信します。今年度からは東京都の「理数研究校」に指定され、「理数研究」をさらに強化していく予定とのことです。また、同校には探究活動の拠点となる「ラーニング・コモンズ」があります。これは図書館・視聴覚ホール・マルチメディア室・国際交流室・自習室を兼ね備えた施設で、大学・大学院で学ぶ同校の卒業生がチューターとして、学習指導を行うとともに、進路相談などにも応じています。

 二つ目の「立国ランゲージ・ラーニングプログラム」は、英語教育と国際交流を柱としています。同校の英語科には、14名の専任教員と8名の外国人指導者が在籍しており、加えて前期課程(1~3年生)では、3年間で学習指導要領で定められた目安より140時間も多く学習するカリキュラムを導入しています。クラスは習熟度に編成してチームティーチングを行うほか、エッセイライティング指導で発信力強化を図り、洋書の多読も推進しています。横田先生は「入学生160名のうち約30名が海外帰国・在京外国人生徒枠募集で入学しています。留学生も積極的に受け入れており、日常的に国際感覚を養うことができます」と強調しました。各種英語検定試験など、資格取得にも積極的です。授業で培われた英語力を発揮する場として、1年生はTOKYO GLOBAL GATEWAYでの、2年生はブリティッシュヒルズ(福島県)での英語合宿があります。3年生は文化祭での英語劇を経験します。また、5年生全員でホームステイを体験するオーストラリア・スタディーツアー、希望者を対象としたシンガポール国立大学リーダー研修(3・4年生)、カンボジア・ボランティア巡検(全学年)なども実施しています。

 三つ目は、5年生まで文系・理系に分けずに学び、進路の選択肢を広げる「立国リベラルアーツ」です。高校受験がない環境を生かして、前期課程で高校の内容を先取りした発展的な学習に取り組めるため、応用力が養われます。四つ目の「立国キャリアガイダンス」では、「学校を軸足に 目標を高く 最後まで諦めない」をモットーとして、面倒見の良い指導で生徒が志望する大学への進学を後押ししています。その結果、卒業生の約6割が国公立大学、難関私立大学に進学。最近では海外大学進学者も増加しています。横田先生は「落ち着いた生徒が多く、お互いに学び合い、支え合う姿をほほえましく思います。6年間かけて育てるのが本校のメリットだといえるでしょう。英語を武器にできるのも、本校の大きな特徴です」と結びました。

イメージ写真 生徒・教員から親しみを込めて「立国(たちこく)」という愛称で呼ばれている同校。4・5年生では自由選択科目としてフランス語・ドイツ語・中国語が開講されています

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