受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

早稲田中学校

2024年7月17日(水)

幅広い学びと多様な経験を通して
社会に貢献しうる人格を育成

 1895年、大隈重信の教育理念に基づき、坪内逍遙らによって創設された早稲田中学校は、早稲田渋谷シンガポール校を含めて7校ある早稲田大学の付属・系属校のなかで最も古い歴史のある学校です。

 なかのZERO大ホールで開催されたこの日の説明会の冒頭、中学校教頭の鈴木正徳先生は「早稲田大学の建学の精神が『学問の独立』であるのに対し、本校の教育理念は『人格の独立』です。大隈先生のことばに『逆境に処して益々雄壮』がありますが、柔軟な中高生時代に苦労を積むことが大切です。困難があっても、自分の力で克服できる若者に育てたいと考えています」と述べました。

 同校では学びを通じた経験の場を豊富に設けています。伝統行事の「利根川歩行」では、利根川上流から銚子の犬吠埼灯台までを、中高6年間かけて完歩します。このほか、鎌倉研修、地学実習、関西研修、林間学校、サマーキャンプなど、さまざまな校外学習があります。ミュージカルや歌舞伎の鑑賞会、国技館に出向いての相撲観戦など“本物に触れる”機会も大切にしています。生徒主体の体育大会・興風祭(文化祭)や部活動は、中高合同で行われ、学年を超えた交流の場となっています。希望者は夏休みにオーストラリアのメルボルン・グラマー・スクールに短期交換留学することもできます。

 また、高校生のうちから早稲田大学の講義を受け、単位を取得すれば、大学進学後にそれが卒業に必要な単位の一部として認められる特別聴講制度もあります。さらに、基幹・先進・創造の各理工学部の実験室で行われる理科実験、高校生を対象とした学部説明会など、大学系属校ならではのメリットを生かしたプログラムが充実しています。

生徒一人ひとりの意思を尊重
過去最多の東大合格者を輩出

 次に高等学校教頭の根本季代子先生が登壇し、カリキュラムや大学進学について説明しました。同校は1993年より完全中高一貫教育を実施し、先取りも無理なく実現させています。進度はやや速めですが、「習熟度別授業は行わず、理解が不十分な生徒には補習などでフォローします」とのことです。クラスは高2から文系と理系に分かれますが、文系であっても数学と理科を、理系でも社会と国語を高3まで学習します。

 同校から早稲田大学と他大学に進学した卒業生を合計すると、現役生の進学率は例年80%以上となっています。難関大学への進学実績が高く、早稲田大学への推薦枠もあります。2024年度の推薦枠は、1学年約300名に対して167名でした。他大学も視野に入れて進路を考える生徒が多いため、例年、枠がすべて埋まることはないそうです。今春は既卒生11名を含めて43名が東京大学に合格し、過去最多を記録しました。また、医学部医学科へも多くの卒業生が進学しており、今春の国公立大学医学部医学科への現役合格者は14名に上りました。

 根本先生は「進路選択では本人の意思を尊重しています。教員一同、生徒の立場に立ってあらゆるニーズや希望に対応したいと考えています」と話しました。最後に、「今年も『個別相談会』を開催します。予約は不要ですので、10月12日と19日にいらしてください」と締めくくりました。

イメージ写真 昨年、3号館と興風館が建て替えられ、八つの理科実験室、情報教室、図書館、食堂、プール、アリーナ、柔道場・剣道場、1000人収容の誠ホール、ラーニングギャラリー(写真)など、充実した施設がそろいました

www.waseda-h.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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