受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

大宮開成中学校

2024年7月16日(火)

次の20年を見据えたプログラム
「NEXT20」を来年度より始動

 1942年創立の大宮洋裁女学校から発展した大宮開成高等学校が中学校を開設したのは2005年のことです。中高一貫部では現在、中1~3を習熟度別にTクラスとSクラスとに分け、きめ細かい指導を行っています。大学合格実績も着実に伸びており、今春は中高一貫部の卒業生119名のうち23名が国公立大学に、56名が早慶上理に合格しました。

 この日の説明会で校長の松﨑慶喜先生は、「中学開校20周年を迎える来年度から、次の20年を見据え、『NEXT20』プロジェクトを始動します。そのため、本校では次の三つを実践します」と話しました。

 一つ目は、東大・京大・医学部をめざすTXクラスの新設です。このクラスは来年度以降の入学者が中3に進級するときから設置されます。具体的には、教科横断型の学びとディスカッションを重視した双方向型授業、探究型のリベラルアーツ教育、最先端科学や医療の現場に実際に触れるプログラムなどを計画しています。

 二つ目は、「フォローアップのさらなる充実」です。放課後のホームルーム前に20分間の「レビュータイム」を設け、その日の学習内容を全員で復習するほか、2027年度からは「中3ハイレベルゼミ」を開講し、東大入試や数学オリンピックの問題など、通常の授業では扱わない難問にも挑戦します。

 そして、三つ目は「中3を真の国際人に」という目標の下、校外学習を活性化させることです。中1・2では人間関係を構築する宿泊研修を行っていますが、中3では新たに「沖縄国際平和研修」を加え、生徒たちに日本を俯瞰する視点を持たせる内容で実施するそうです。

プレゼンテーション教育や
生活指導を通して人間性を育てる

 同校では「人を育てるのは、人」という考えから、プレゼンテーション教育などを通して、机上の学習では身につかないスキルを養い、人間性を高めています。たとえば、SDGs(持続可能な開発目標)を主軸とした探究活動では、中1は「身近な環境」、中2は「日本」、中3は「世界」について、一人ひとりがテーマを設定し、独自の視点で探究・発表します。また、自分の目標や学校生活の記録、小テストの結果、自習計画、その日の反省点などを毎日記して提出する「自己管理ノート」を中3〜高2に導入しています。教員や保護者もこれにコメントを残すため、自己管理力が養われます。生徒・教員・保護者の間の信頼関係を築くのにも役立っています。

 このほか、昨年度から、フィリピン・セブ島での夏期留学プログラム、オーストラリアまたはニュージーランドで学ぶ3か月ターム留学など、中3から高2の希望者を対象とした海外研修プログラムを実施していることも伝えられました。

 最後に、中高一貫部教頭の小林佑樹先生より、入学試験について説明がありました。2024年度入試では、算数・理科の出題構成に変更がありました。小林先生は「小問数を減らし、思考力を要する問題を増やしました。問題にはじっくり時間をかけて取り組んでください」とアドバイスしました。

イメージ写真 校内には、約200席の個別ブースがある自習室、生徒の学びの場となる「ラーニングコモンズ」を備えた図書館などの施設が充実しています

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