受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

日本工業大学駒場中学校

2024年7月30日(火)

熱意あふれる教育指導の下、圧倒的な基礎学力と人柄を養成する

 日本工業大学駒場中学校・高等学校は、1907年に開校した東京工科学校から発展した中高一貫校です。長く工業教育に特化していましたが、2008年に現校名に改称し、高校に普通科を設置するとともに、中学校も共学化して新たなスタートを切りました。それ以来、きめ細かい教育により着実に大学進学実績を積み重ね、近年は中学校の受験者数も大幅に伸ばしています。2021年からは普通科専一校として、さらなる飛躍をめざしています。

 この日のオンライン説明会の冒頭、校長の大塚勝之先生は、今春の大学合格者数が過去最多に達したことを紹介し、「本校には難関大学合格をめざす高校生の希望者に向けた強力な大学進学支援システム『光風塾』があります。教員や現役東大生講師による質の高い授業を行うなど、戦略的に生徒の指導に当たっています。2022年からは中2・3生を対象にした『光風塾ジュニア』も開講しています」と力強く語りました。一方、今年度からは中学の自習室にも卒業生がチューターとして常駐し、放課後の学習サポートや相談にも対応するようになりました。卒業生のチューターは、夏期講習では講師も担当しています。

 今春には、時代に合わせて教育内容をさらに進化・充実させるためのプロジェクト「日駒新教育ハニカム構想」も始動させました。大塚先生は「学力を伸ばす以上に重要なのが、人柄を育てることです。創立以来、本校が最も大切にしてきたことは、教員が生徒に向き合うときの“熱”です。そして、モノづくり教育のなかでは『真面目さ』も学びました。『誠実・明朗・勤勉』という校訓の下、生徒、教員ともに生涯にわたって人柄を成長させていくことをめざしています」と述べました。

 次に、入試広報部の狩野香世先生が、学校生活について説明しました。同校では「ファイトノート」「朝テスト」「放課後補習」を連関させ、家庭学習の習慣化や圧倒的な基礎学力の養成を推進しています。ファイトノートは中1・2を対象にした同校オリジナルのもので、漢字や百人一首といった学習課題と、一日の振り返りや放課後のタイムスケジュールなどを記入する日誌が一つになっています。担任・副担任は毎朝提出されるこのノートの内容を通して、生徒の活動の様子や心の状況を把握しています。保護者がコメントを記入する欄もあり、家庭と学校を結ぶ大切なツールにもなっています。また、朝テストではファイトノートによる学習成果を確認します。通常は国語・数学・英語について週1回ずつ実施していますが、定期試験2週間前は理科と社会を加えた5教科になります。この試験前の朝テストで思うような点数が取れなかった生徒は、放課後に補習を受け、理解不足などの心配材料を解消してから定期試験に臨みます。狩野先生は「この朝テストは、試験日当日に採点して上位者やクラス別の成績を掲示します。これが生徒たちのモチベーションにつながり、互いに切磋琢磨するための原動力になっています」と話します。

 その一方、部活動が盛んなことも特徴で、屋上でニホンミツバチを飼育する園芸養蜂部、全国大会への出場経験があるアーチェリー部やレスリング部など40以上の団体があります。行事も多彩で、中1では新潟県妙高市にある「赤倉山荘」でのフレッシュマンキャンプ、日駒祭(文化祭)、体育祭、百人一首大会をはじめ、生徒が個性を発揮できる場を豊富に設けています。

 2025年度の中学入試では、従来の2月5日午前の「特別選抜」の名称が「第6回」に変更されます。その出願開始日も入試期間中の2月2日から1月10日に変更され、第1~5回と足並みをそろえます。また、2月1日午後の「第2回」と2日午後の「第4回」では、英検®資格取得級とスコアに応じた「みなし得点」を英語の得点とする「英検®利用入試」が導入されます。このほか、受験料や特待生制度の合格基準・内容にも変更があるとのことです。詳細は学校ホームページでご確認ください。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 2021年に改装した図書館、屋上庭園、女子ラウンジなどが整った居心地の良い環境です。工業科の名残を感じさせる実習室もあります

www.nit-komaba.ed.jp/j/ 別ウィンドウが開きます。

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