受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

片山学園中学校

2024年7月19日(金)

富山県唯一の中高一貫校。学習塾の教育ノウハウを生かし、生徒一人ひとりの進路を実現

 片山学園中学校・高等学校は富山県唯一の中高一貫校です。北陸3県で学習塾や予備校を運営する育英センターが母体となり、2005年に富山市に中学校を、2008年に高校を開校、2019年には隣接する射水市に初等科(小学校)も創設しました。「孝・恩・徳」を教育理念に掲げて全人教育を実践し、国際社会に貢献する真のリーダーの育成をめざしています。

 この日のオンライン説明会に登壇した中学校・高等学校教頭の杉林功一先生は、「本校は『塾がつくった学校』として、その経験やノウハウを生かした独自の教育を推進し、大学進学実績を着実に挙げていくことを目標にしています」と述べました。同校では、例年、東大や京大を含む国公立大学、難関私立大学に数多くの合格者を輩出しています。なかでも医学部医学科への進学者が多く、これまでの卒業生1335名のうち約12%に相当する159名が医学の道に進んでいます。好調な進学実績の背景について杉林先生は、「富山県には、保護者が県外在住でも受験者本人が県内の高校に在籍していれば、富山大学医学科への地域枠の利用資格を得られる制度があります。全国的にも珍しい条件で、この制度に着目して県外から入学してくる生徒もいます」と説明しました。

 また、高い大学進学実績を誇る背景には、塾スタイルの実践的な授業や効率の良い教育システムがあります。授業では、基礎・基本を大切にし、一斉授業形式だけではなくグループワークを積極的に取り入れたり、実験・実習を多く設定したりして主体的に学ぶ姿勢を育み、思考力・判断力・表現力の向上に努めています。

 一方、中学の募集定員は80名で、1学年3クラスという少人数制であることも特色であり、そのうち1クラスが成績優秀者による選抜クラスとなっています。2025年度には英語の授業をオールイングリッシュで進めるクラスも1クラス設け、生徒の能力を伸ばす体制を一層強化していく予定です。高1からは習熟度別クラスで学び、高2からはさらに文系・理系に分かれて習熟度別授業を実施。いずれのクラスも英語・数学・国語の主要3教科は中高一貫の学習カリキュラムに従って先取り学習を進め、高3の2学期以降は大学受験対策に専念します。杉林先生は「主要3教科については希望制・指名制の放課後補習も行っています。1学年の人数が少ないため、個々の進路に適したきめ細かな進路指導が可能です。二次試験や医学部の小論文対策なども十分にサポートできるのが本校の強みです」と強調しました。

 国際理解教育にも注力しており、高1では全員がイギリスでの語学研修に参加します。希望制のプログラムも充実しており、オーストラリアのドロマナ・セカンダリー・カレッジとの交換留学や、スイスのブリヤモン・インターナショナルスクールへの短期留学など、世界の名門校で異文化を体験できる機会を数多く設けています。

 敷地内には「つるぎ寮」(男子)と「さくら寮」(女子)という二つの学生寮があり、中高生の約2割が入寮しています。寮生活では「自主自律」を目標に、規則正しい生活をして、自分のことは自分で行う習慣を身につけます。学習時間も平日に2時間、日曜・祝日に4時間確保されており、富山大学の医学部生チューターによる個別学習指導や定期考査直前の「1日勉強会」などのサポートも受けられます。必要に応じて、提携している育英センターに通塾したり、家庭教師の派遣を依頼したりする生徒もいるそうです。杉林先生は「希望者を集めて、映画鑑賞会、花火大会、寮生の誕生日会など、さまざまな寮主催のイベントも行っています。学年を問わず寮生の交流は活発で、先輩たちの面倒見も良いので、ホームシックになったという声は、ほぼ聞きません。寮のスタッフやクラス担任も生徒の様子に注意深く目を配るようにしているので、ご安心ください」と述べ、説明会を締めくくりました。

イメージ写真 蔵書が豊富な図書館、中学生も平日の午後7時50分まで利用できる自習室など落ち着いて学習に取り組める環境が整備されています

www.katayamagakuen.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ