受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

鎌倉女学院中学校

2024年7月9日(火)

みずから行動を起こす「実現力」を養い、物事の本質を見極められる女性を育てる

 JR「鎌倉」駅から徒歩約7分、鶴岡八幡宮の参道・若宮大路に面した場所にキャンパスを構えるのが鎌倉女学院中学校高等学校です。東京開成中学校(現在の開成中学校・高等学校)の校長を務めていた漢学者の田辺新之助によって1904年に創立された、湘南地区では最も歴史ある女子中等教育機関として知られます。創立者が掲げた「宗教色を帯びず、不偏中正の立場で、堅実な女子を養成し、日進の新知識を授けたい」という理想に基づき、常に「先を見越した教育」の刷新に努めています。

 説明会の冒頭、あいさつ立った校長の大野明子先生は、はじめに同校の校訓「真摯沈着」「尚絅(しょうけい)」を紹介しました。この二つは、創立者が日ごろから生徒に諭していたことばで、「真摯沈着」は「しっかりとした自己を持ち、物事の本質を見極められる人に」、「尚絅」は「人として本当の美しさが分かる人に」という教育目標に置き換え、日々の学校活動を行っているそうです。

 「真の国際感覚」を養うことを目的とした取り組みの一つとして、独自の探究学習が紹介されました。古都・鎌倉の立地を生かした「鎌倉学(中1~3)」では、地域のフィールドワークを通じて日本の自然・歴史・文化・社会について学びます。それを基盤にして、「国際・環境学(中3~高3)」では、社会・環境・国際問題についての教科横断的授業や講座の受講、セミナーなどへの参加を通じて、課題解決に向けた研究・ディスカッション・発表へと発展させていきます。

 「新聞学習」「読書週間」「ビブリオバトル」「スピーチコンテスト」といった、物事を批判的かつ論理的に考える「クリティカルシンキング」を伸ばす取り組みにも力を注いでいます。大野先生によると「120周年を機に、生徒が主体性をより一層発揮し、成長していけるように学校改革を進めてきました。生徒がやりたいことを思う存分にできるよう、『生徒指導』から『生徒サポート』へと教員の意識改革も行っています」とのことです。

 120周年の祝賀イベントの企画も生徒が中心となって進められています。「織りなす歴史 紡ぐ未来」のスローガンは、アンケートで寄せられた生徒の思いから生徒会メンバーの話し合いで決まったものです。ほかにも、学年カラーの記念Tシャツの制作、鎌倉の老舗メーカーと協力しての記念菓子パッケージデザイン、記念文芸コンクールの開催など、10月に予定されている記念式典に向けて精力的に活動しているそうです。

 同校では1980年代から「聞く・話す・読む・書く」の4技能をバランスよく伸ばす英語教育を実践しています。「Communicative」「Global」を柱とした学びを通じて、英語力を高めるとともに、世界に貢献できる人材を育てています。週1コマのオーラル・コミュニケーションの授業(中1~高1)は、クラスを2分割し、ネイティブスピーカーの教員が担当します。一方、日本人教員が担当する授業(週5コマ)では、「復習テスト→新出事項の聞き取り・口頭確認→文字での確認→口頭練習・自己表現→宿題」という学習サイクルを繰り返すして、インプットとアウトプットの力を確実につけていきます。英語科の浅田稔子先生は「本校では『英語を英語で』学ばせるため、通常授業でも可能な限り英語でやり取りを行います。低学年のうちから慣れていけば、高校では有名なスピーチの暗唱、多読・多聴、ディベート、ディスカッションといった高度な学びに発展させることが可能です。このほかにも、鎌倉を訪れた外国人観光客へのインタビューや観光ガイドなど、実際に英語を使う機会も豊富に設けています」と説明します。さらに、カナダ英語研修(高1)、ニュージーランドターム留学(中3)、アメリカの姉妹校との交流(中3・高1)など、希望制の国際交流プログラムも充実しています。

イメージ写真 地階から4階部分までの吹き抜けから自然光が差し込む明るい校舎。アートホールではミニコンサートのほか、クリスマスやひな祭りなど季節のイベントが開催されています

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