受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

獨協埼玉中学校

2024年7月23日(火)

豊かな環境と多種多様な学びで「自ら考え判断し、行動することのできる若者」を育てる

 1980年、東京・文京区にある獨協中学校・高等学校の兄弟校として、埼玉県越谷市に獨協埼玉高等学校が開校しました。2001年には中学校も開校し、中高一貫教育が始まりました。約8万㎡の広大なキャンパスには、図書館棟、二つの体育館、サッカー兼ラグビー場、野球場、テニスコートなどの施設がそろい、生徒たちは、恵まれた環境のなかで文武両道を実践しています。

 オンラインで開催されたこの日の説明会で、副教頭の酒井直樹先生は、「自ら考え判断し、行動することのできる若者を育てる」という教育理念に触れながら、三つの方針を紹介しました。一つ目は中学入学時からコース制を設けていないことです。「勉強だけ、部活動だけに偏るのではなく、全員がどちらもがんばれる環境が重要」という考えからです。酒井先生は「上位の大学に進学することはもちろん大切ですが、それだけではなく、『何を学ぶか』に重点を置いて進路指導をしています。本校では、学校行事や探究学習などに思い切り取り組んでもらい、幅広い教養を身につけさせます。そのうえで、自分に合う道、本当に自分がやりたい学問を生徒自身の判断で選び取ってもらいたいのです。それが未来を見据えた進路選択につながっていきます」と話しました。

 二つ目は充実した学校生活(生活・学習・部活・行事)です。実体験を通してみずから興味を持ち、探究したくなるような「しかけ」となる「総合学習」プログラムでは、まず中1で「ネイチャーステージ」を体験します。これは、近隣の田んぼを借り、農家の方の指導の下、田植えから稲刈りまでの米作りの過程を学ぶものです。中2では、キャリア教育の一環として外部の講師による講演を聴く「キャリアステージ」、中3では、福祉や介護についての講義や実習を受ける「ボランティアステージ」があります。どの科目においても、調査とレポート提出がセットになっており、深く考え、誰かに伝えるまで学ぶことを徹底しています。稲作体験一つをとっても、イネの生長の過程を観察し、収穫したコメを食べるからこそ、農業、栄養学、日本の食文化など、さまざまな分野への興味・関心が広がり、「生徒の知的好奇心を大いに刺激します」とのことです。

 また、学習が遅れないよう、放課後のサポート体制も充実させています。自主的に学習したい生徒のために自習室を拡充し、SLC(Self Learning Center)を設立しました。静かな環境で集中して取り組むことができ、質問には常駐のチューターが対応しているそうです。長期休暇中にも希望制の講習が開講されており、多くの生徒が受講しています。さらに、英語に対する興味・関心を引き出すため、英語漬けの2泊3日を過ごす「イングリッシュキャンプ」(中2)や、海外や日本に留学している大学生を交えてディスカッションやプレゼンテーションを行う「グローバルスタディーズプログラム」(高1)といった取り組みがあります。長期休暇を利用してシンガポール、オーストラリア、ニュージーランドなどを訪れる希望制の海外研修プログラムでは、英語を学ぶだけではなく、異なる価値観や文化への理解を深め、発言力も高めています。

 最後に、併設大学への多様な推薦制度と進学についての説明がありました。高2からクラスは文系と理系に分かれ、さらに高3では、国公立、難関私立大学志望者を対象とする「文系Ⅰ」「理系Ⅰ」、私立大学志望者を対象とする「文系Ⅱ」「理系Ⅱ」、高大連携プログラムを導入した「獨協コース」の5コースに分かれます。「獨協コース」では、獨協大学進学後を見据え、プレゼンテーションやグループディスカッションなどを授業に取り入れています。各学部・学科の成績基準を満たしたうえで、獨協大学教授の指導の下、30冊分の読書記録と1万6000字以上の卒業論文を完成させることが条件です。獨協医科大学医学部へは、獨協埼玉高校と獨協高校を合わせて約10名の推薦枠があります。

イメージ写真 部活動の加入率は約9割に上り、文武両道の校風も魅力の一つ。文化部ではサイエンス部が人気で、全国大会にも出場しています

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