受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

聖セシリア女子中学校

2024年7月18日(木)

カトリック精神を土台に確かな学力を養う「心と力の調和」をめざした教育を実践

 聖セシリア女子中学校・高等学校は、教育者・伊東静江によって1929年に創立された大和学園女学校を起源とするカトリック精神に基づいた女子校です。「信じ 希望し 愛深く」を校訓に掲げ、自分らしくみずからの力で将来を切り開くことのできる「幸せな人」となるための「心」と「力」をバランスよく伸ばす教育を行っています。

 この日のオンライン説明会の冒頭、入試広報部長の大橋貴之先生は、「まず皆さんにお伝えしたいのは、学校の雰囲気です」と述べ、職員室の様子を動画で紹介しました。中央を通る通路は生徒であふれ、歩くのが困難なほどにぎわっています。同校では1クラス約30名、1学年4クラス編成の少人数制を採用し、教員と生徒との距離の近さも大きな特徴です。

 続いて、「確かな学力」「心の教育」「適切な進路指導」「安心できる環境」の四つを柱とする教育活動について説明がありました。「確かな学力」を培う取り組みとしては、オンライン英会話のレッスンを受けたり、さまざまな国の留学生と英語で交流したりする「グローバルワークショップ」(中1~高2)、月に数日、留学生と英会話を楽しむ「フリートークデイ」など、多彩なグローバルプログラムがあります。中1・2が英語でミュージカルを発表する「イングリッシュエクスプレス」もその一つです。「生徒たちは週1コマの授業のなかで英語の台詞や歌を通して正しい発音を覚え、楽しみながら会話力・表現力・協調性を身につけています」と大橋先生は話します。

 語学研修の機会も豊富です。福島県のブリティッシュヒルズで行う国内語学研修(中2)、Tokyo Global Gateway研修(中2~高1の希望者対象)、2週間のカナダ語学研修(中3~高2の希望者対象)に加え、今年からカナダでのターム留学制度(高1・2の希望者対象)もスタートしました。

 また、同校では週32コマの授業時間を確保したうえで、きめ細かい学習指導を実施しています。大橋先生はその具体例として、学習内容を記入して毎日提出する「レコーディングスタディ」や、オンライン上で学習データを記録する「進路カルテ」を挙げました。さらに、「このほかにも、補習や講習、長期休み中の勉強合宿などがあります。希望者が受講できる『土曜講座』は年間50以上開講し、高大連携の取り組みも推進しています」と語りました。

 「心の教育」としては、宗教教育や福祉活動を通じて情操を育むことを重視しています。それとともに、芸術教育にも力を注いでいます。歌舞伎、雅楽・京舞、オペラ、宝塚歌劇などの芸術鑑賞の機会があるほか、放課後には有名なバレエ団の講師による本格的なレッスンが受けられることから、バレエを目的に入学する生徒が例年2割ほどいるそうです。

 「適切な進路指導」については、6年間で延べ80時間以上のキャリアプログラムが組まれています。生徒は自分の能力や適性を発見し、それを周りの人のために生かす大切さも学びます。大橋先生は「卒業生の進路は多岐にわたり、芸術系に進む人が1割前後いるのも特色です。これは、本校の生徒一人ひとりが自分に合った進路を選択し、実現させていることを裏付けています」と強調しました。今春は、卒業生の7割が学校推薦型または総合選抜型の入試で合格した大学に進学し、一般選抜入試の割合が大きく低下しています。しかし、同校では、123校600名以上の指定校推薦枠を整え、生徒が希望する入試形態に応じたサポートをしっかりと行っているため、進路希望の達成率は78%にも上っているとのことです。

 最後に、大橋先生は「安心できる環境」として、家庭的な温かさがある校風に触れ、「生徒たちは、学校生活に高い満足度を感じて卒業していきます。本校は、周りの人に対して思いやりの心を持って接し、誰からも『この人がいて良かった、この人がいたから今の自分がある』と思ってもらえるような『幸せな人』を育てています」と結びました。

イメージ写真 「音楽の聖人」として知られる「聖セシリア」を校名とする同校では、美術ゼミナールやソルフェージュなど、豊かな感性を育むオリジナル科目が設けられています

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