受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東洋大学京北中学校

2024年7月11日(木)

哲学教育・国際教育・キャリア教育を軸に、教養を身に付けた国際人を育てる

 東洋大学京北中学校は、東洋大学の創設者である哲学者・井上円了によって1899年に設立された京北尋常中学校から発展しました。2011年に、母体である「京北学園」が東洋大学と法人合併して附属校となり、2015年の校名変更・共学化を機に、文京区白山に移転しました。

 校長の星野純一郎先生は、建学の精神「諸学の基礎は哲学にあり」に触れ、「本校で学ぶ哲学は、自分がどのように生きていくのか、その方向性を構築することです。人との対話や自問自答を重ね、より良い暮らしや生活をつくり出せるようになるためのプログラムなのです」と説明しました。授業でも、哲学的な理念に基づく指導が行われています。

 「本当の教養を身に付けた国際人」の育成をめざす同校では、文系・理系のどちらかに偏ることのない、国公立大学受験に対応したカリキュラムで学習を進め、幅広く、奥深い教養を身に付けます。星野先生は日ごろから生徒たちに実践するよう指導している「正礼し 正聴し 尽瘁(じんすい)すれば 不可無く良生なり」ということばを紹介し、「これは、『礼儀を正し、人の話を真剣に聴き、へとへとになるくらい本気になって物事に取り組めば、不可能だと思われることも必ず良い方向に動く』という意味です。生徒には日常的にこのことばを伝えています」と力強く語りました。

 次に、教育の三本柱である「哲学教育」「国際教育」「キャリア教育」について、広報部長の井出秀己先生が説明しました。

 哲学教育は、中学では必修です。そこでは「より良く生きる」をテーマに、生徒一人ひとりが幸福に生きるために「考える」ことを促しています。中学生は「哲学対話」にも取り組み、周囲の意見に耳を傾けたうえで、これまで信じていた「当たり前」を疑うことで考えを深めて自分と向き合い、思考する力を培います。中1は「自分と周りの人とのかかわりについて考える」、中2は「本当の自分について考える」、中3は「自分と社会のかかわりについて考える」というテーマです。学年が上がるごとにステップアップし、他者を尊重する力や多様性を受け入れる寛容さも身に付けていきます。

 国際教育としては、「Freshman English Camp」(中1)などの全員参加型の英語合宿のほか、「カナダ修学旅行」(中3)、「アイルランドサマープログラム」(中2・3希望者)、「オランダプログラム」(高1・2希望者)といった実践力を磨くプログラムも実施しています。東洋大学に在学中の留学生と英語で交流する「Let's Chat in English!」(中1~高3)など、生きた英語に触れるイベントも豊富です。こうした指導の結果、中学を卒業するまでに英検®準2級を取得する生徒は7割に上ります。

 なお、理数教育の場も豊富で、東洋大学生命科学部や食環境科学部などの教授と学ぶ「未来の科学者育成プロジェクト」(中3)、「生物・地学フィールドワーク」(中学)、東京大学や千葉大学を訪問する「理系研究室見学」(高1・2)などがあることが伝えられました。

 学習支援体制も手厚く、長期休暇中には進学対策指導や個別の特別補習などを行い、東大生などのチューターが常駐。生徒には、家庭学習のスケジュールなどを記入して提出する「進路手帳」を活用させています。また、小テストを毎朝実施するなどして、自学自習の習慣化を促しています。卒業後は「東洋大学の全学部への推薦入学枠が170名程度確保されていますが、進学指導の方針としては、国公立大学や難関私立大学をはじめとした他大学受験を第一に考えています」とのことです。今春も、国公立大に19名、早慶上理ICUに25名が合格しました。卒業者に占めるその割合は着実に伸びているそうです。なお、東洋大学へは、例年卒業生の3割程度が進学しています。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 全天候型の200mトラック付きの人工芝のグラウンド、冷暖房完備の体育館、四つの理科室、和室など充実した施設がそろいます

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