受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

金沢学院大学附属中学校

2024年7月25日(木)

中高一貫部棟の新校舎が完成。新しい教育法を積極的に取り入れ、夢の実現を後押し

 石川県金沢市にある金沢学院大学附属中学校は、7学部8学科を有する、日本海側で最大規模の私立総合大学である金沢学院大学の附属校として2022年春に開校しました。独自メソッドによる中高一貫教育を実践し、学校・塾一体型の学習システムを導入するなど、新しい教育法を積極的に取り入れています。

 この日のオンライン説明会で副校長の松原肇先生は1期生がつくった「勉強日本一、部活も日本一」というスローガンを紹介し、さらに続けて「2022年に開校した本校は、この4月に3学年がそろいました。これまで中学生は附属高等学校の校舎を間借りしていましたが、この夏、中高一貫部棟の新校舎が完成し、さらに充実した環境での学びがスタートします」と述べました。建物は4階建てで、1階には食堂があります。2階より上のフロアには20の教室と職員室、そして、生徒たちの主体的、協働的な学びを推進するラーニングコモンズ、多様な書籍を閲覧したり検索したりできるメディアゾーンが設置されています。また、2階フロアには大型のスクリーンがあり、2階から4階を結ぶ大階段を座席とすれば、研究成果のプレゼンテーションを多くの人に聞いてもらうことも可能です。

 次に、教頭の西念佑馬先生が教育内容を説明しました。同校は、授業、校内塾、寮内学習の3層構造により、「学力を徹底的に伸ばす」「一人も取りこぼさない」の二つを合言葉に、教職員が一丸となって学習支援をしています。校内塾では、授業をより深掘りした内容を扱うコースや、授業進度に合わせて「わからない」を「わかる」に変え、「できる」ようにするコースがあります。寮内学習では、金沢大学医学類や金沢学院大学の教育学部生がチューターとなって、個別指導を行っています。さらに、朝学習では、英単語・漢字・計算練習を行い、学力の土台作りをしています。

 中学から「特進」「総合」の2コースに分かれ、授業はコースごとに異なるカリキュラムに沿って展開されます。最難関国立大学・医学部・難関私立大学への進学を目標に掲げる特進コースでは、週37コマの授業時間を確保し、英語・数学を中心に先取り学習が行われます。進度は速く、中2の終了時までに中学の内容を、高2終了までに高校の内容を学び終えます。一方、大学までの10年一貫教育を前提とする総合コースでは週30コマの授業時間数を設定し、バランスの取れたカリキュラムに基づいて次世代のリーダーに必要な深い教養を身につけます。原則として全員が部活動に参加する点も総合コースの特徴で、選手や指導者として実績のあるトップクラスのコーチ陣が質の高い指導を行います。

 授業は各コースとも「考えることを楽しむ」をコンセプトとしています。西念先生は「本校では興味や主体性を引き出すことに主眼を置き、生徒が努力の成果を実感できるようなコーチングをしています」と述べ、その一環として注力している、探究型・対話型の学びについて紹介しました。課題研究活動のKGタイム(総合的な学習の時間)では、地元・金沢の歴史や文化・地域的課題をテーマに、調査・研究したことを表現し、英語での発表へとつなげます。こうして実践的な学習法を習得し、論理的思考力・課題発見・解決能力の向上を図っています。

 また、民間の教育機関と協力して、探究型作文講座や小論文講座を開講し、入試の論文対策を行うとともに、将来必要となる論述する力を養っています。

 最後に、「中学清鐘寮」の寮監、望月尚志先生が寮生活について説明しました。寮では日課に準じた行動を通じて自己管理能力が培われます。整理整頓・ごみ出し・洗濯などは自分で行うので、自主性・自立性が身につくそうです。望月先生は「全国各地からさまざまな仲間が集まるため、自然と協調性やコミュニケーション能力も養われます」と語りました。夜間の寮内学習は毎日90~120分程度を確保しています。寮担当教員による授業や、金沢大学医学類や金沢学院大学教育学部の大学生チューターの個別指導も受けられます。

イメージ写真 「中学清鐘寮」は中学校舎から徒歩約15分の場所にあります。男子寮・女子寮とも冷暖房・Wi-Fi完備の完全個室で、栄養管理から医療対応まで万全なサポート体制を整えています

www.kanazawa-gu.ac.jp/jhs/ 別ウィンドウが開きます。

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