受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

盛岡白百合学園中学校

2024年7月18日(木)

キリスト教に基づく全人教育と先進的なカリキュラムを実践。2026年度から共学校へ

 1892年にフランスのシャルトル聖パウロ修道女会を母体に設立された盛岡白百合学園は、全国に7校ある白百合学園の姉妹校の一つです。設立以来、学園共通の校訓「従順」「勤勉」「愛徳」の下、キリスト教に基づく全人教育を実践し、豊かな人間性と国際的な視野を持った女性の育成に努めてきました。2026年度からは、岩手県唯一のミッションスクールとして、カトリック精神を広く男子にも伝えるべく、白百合学園としては初となる男女共学校へと移行します。

 同校がある岩手県盛岡市は、東京から新幹線で約2時間10分、キャンパスはJR「盛岡」駅からバスで約15分の小高い丘の上にあります。オンラインで開催されたこの日の説明会の冒頭、教頭の菅原浩先生は、岩手県の観光名所や名物、盛岡市の街並みなどに触れ、豊かな自然に恵まれた学習環境の魅力を伝えました。東北の夏祭りの幕開けを告げる8月の「盛岡さんさ踊り」には生徒有志が参加するのが恒例となっていて、高校生が競い合う「さんさ甲子園」で優勝したこともあるそうです。

 首都圏からも入学生を受け入れているおり、校舎から徒歩7分ほどの場所に建つ「マリア寮」では、中高合わせて約30名の生徒が生活しています。寮生は、午前6時に起床し、点呼を受け、朝掃除をしてから午前8時35分までに登校します。授業やクラブ活動などを終えたら、門限の午後6時までに帰寮します。食事は3食(昼は弁当)が提供され、朝・夕は全員がそろって席に着くことが原則です。午後7時30分から午後9時までは義務学習の時間と定められており、教職員のサポートの下、各自の課題に取り組みます。菅原先生は「身の回りのことを自分で行うので自立心が養われます。また、ルールを守りながら共同生活を営むなかで思いやりや気遣いの心が育まれます」と述べました。

 中学では入学試験での成績に応じて、難関大学進学をめざす生徒を対象とする「アドバンスコース」と、ていねいな指導で基礎学力を定着させる「スタンダードコース」とに分かれます。アドバンスコースに在籍するのは学年全体の約3分の1の生徒で、コース入れ替えのタイミングは3年間で数回あるため、生徒は互いに切磋琢磨しながら学びます。教頭の中谷由美子先生は「英語・数学・国語の3教科を中心に、各教科とも公立校よりも多くの授業数を確保しています。そのため、余裕を持って学習に取り組みながら確実に力をつけることができます」と説明します。

 中高大連携事業による、教科学習以外の取り組みも盛んです。白百合女子大学のほか、上智大学や岩手県立大学とも連携し、数学などの特別授業や、「サイエンスカフェ」という理科実験の講座を実施しています。昨年度には、塾講師による個別指導が受けられる「放課後学習サポートセンター」も開設されました。「苦手克服に活用できる」と好評だそうです。 

 英語教育とグローバル教育にも力を注いでおり、2名のネイティブ教員による英会話の授業やオンライン英会話でスピーキング力を鍛えています。ディベート、プレゼンテーションなど、英語でアウトプットできる場を設け、「発表する力」も養っています。上智大学の学生を招いて行う3日間の英語プログラム「Summer Teaching Program(STP)」、県内在住の外国人講師による異文化体験プログラムなど、楽しみながら英語を使う機会もあります。外国人講師によるプライベートレッスンを放課後に受けられる「English café」では、英検®対策のほか、英語でのプレゼンテーションやスピーチコンテストの指導も行われています。交換留学制度は1970年から続いており、中3希望者は3か月間のオーストラリアターム留学も可能です。このように、海外で学ぶ機会も充実させています。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 緑豊かなキャンパスは東京ドーム約4.3倍の広さ。最新設備を有する4室の理科室、人工芝のテニスコート、約1000人を収容する白百合ホールなどの施設が整っています

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