受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

鶴見大学附属中学校

2024年7月24日(水)

禅の教えを土台に学びの環境を整え、「随所に主となる」生徒を育成

 鶴見大学附属中学校・高等学校は、曹洞宗大本山總持寺(そうじじ)を母体とする共学の中高一貫校です。緑豊かな約50万㎡の敷地には系列の鶴見大学、同歯学部附属病院、同短期大学部附属三松幼稚園といった施設が並びます。「大覚円成」「報恩行持」を建学の精神に掲げ、禅の精神に基づいた人間教育を実践しています。

 この日のオンライン説明会の冒頭、入試広報部の阿部未来先生は「随所に主となる」という同校の教育目標に触れ、「これは禅の教えにあることばで、『どのような場所でも自分らしく輝く』という意味です。先が見えない世の中だからこそ、自分の選んだ場所で最大限に力を発揮して、自分らしく生きることが幸せにつながると考えています」と述べました。続けて、この目標を達成するための教育内容について、「自己理解・他者理解」「興味関心」「主体性」というキーワードを示して説明しました。

 「自己理解・他者理解」を促す取り組みの例として挙げられたのは、「黙念」「Gyro(ジャイロ)手帳」「学校行事」の三つです。「本校では、椅子に座って行う坐禅『黙念』を朝礼と終礼で実施し、生徒たちは静かに自分と向き合います。また、日々の学習計画と振り返りを記録する『Gyro手帳』を通じて、大学受験にも役立つ自己管理能力とスケジュール作成能力を身につけています。さらに、仲間と協力して作り上げる学校行事は、自分の持つ力を発揮し、他者の気持ちを理解するきっかけにもなっています」とのことです。

 「興味関心」を引き出す取り組みについては、教科ごとにフロアを分けた「教科エリア」や、多彩な用途で活用される図書館など、学びの場としての工夫が施された校舎が紹介されました。各自がテーマを設定して関心のある分野を深める課題解決型の「特活自由研究」(中1~高1)、オールイングリッシュで過ごす2泊3日の「イングリッシュキャンプ」(中1・2)、ファームステイを体験する「オーストラリア語学研修旅行」(中3)などのプログラムも、興味の幅を広げるのに役立っています。

 「主体性」を養う取り組みとしては、「2コース制」「教科エリア+ホームベース型校舎」「放課後の過ごし方」が挙げられました。同校では、入学時に学習以外のことにもチャレンジしたい生徒を対象とした「進学クラス」と、学力をより高めたい生徒を対象とした「難関進学クラス」を設定し、生徒が自分に合ったペースでそれぞれの希望進路を実現できるよう指導を行っています。阿部先生は「本校の校舎は、授業を受ける空間と生活する空間が分かれており、生徒は学校生活の中心となるホームベース(ホームルーム)を拠点に、授業時に教科エリアに移動します。時間や持ち物を自分で管理して、大学のように受ける授業によってフロアや教室を移動するため、みずから『学びに行く』姿勢が育まれています」と強調しました。一方、部活動も活発で、放課後にも生徒が主体的に自分のやりたいことに打ち込める環境が整備されています。生徒の自学自習は、テスト前に教員が図書館で質問に対応する「フェローシップ」や、卒業生によるチューター制度でサポートします。留学生と校内で異文化交流ができる「イングリッシュラウンジ」も人気です。

 最後に、鶴見大学との連携については、歯学部への進学希望者には特別推薦入試や入学金減免などの優遇制度があることが説明されました。今年度より高校に設置された「歯学部コース」では、大学の先生による講義も取り入れながら、歯学部受験に対応できる力をつけさせる方針です。阿部先生は「近年では、このような高大連携の授業や企画も増えてきました。今年創立100周年を迎える本校は、禅の教えを変わらずに受け継ぎつつ、時代に合わせた新しい試みも取り入れて発展しています」と語りました。

イメージ写真 教科エリアには、各教科の専門性に合わせてレイアウトされた教室や、生徒の知的好奇心を刺激する展示・資料などがそろう「メディアセンター」が配置されています

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