受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

日本学園中学校

2024年7月19日(金)

「創発学」で創造力を伸ばす男子校が、2026年度から共学化して明治大学の系列校に

 日本学園は1885年、東京英語学校として創立されました。創立者・杉浦重剛のことば「人は得意な道で成長すればよい」を教育理念として、これからの社会で求められる思考力・創造力・表現力を養う教育を行っています。2026年度からは、「明治大学付属世田谷中学校・高等学校」と校名を変更し、男女共学校として新たにスタートします。

 この日のオンライン説明会では、広報部長の恩田敏行先生が説明を担当しました。2026年度から明治大学の系列校となるため、教育内容も明治大学への進学を見据えたものへとシフトしていきます。

 新たな柱となるのが、「国際理解教育」「理数教育」「キャリア教育」です。さらに、2003年から取り組んでいる同校のプログラム「創発学」を、この三つの柱のそれぞれに組み込み、6年間で「自ら課題を見つけ、その課題に向き合い考え抜く力」「グローバル社会の中で自分を表現するコミュニケーション力」「情報化社会における最先端技術に対応し応用する力」の三つを身につけていきます。

 「国際理解教育」では、4技能を伸ばす語学教育を実践しています。また、国内での語学研修や中3での海外語学研修(オーストラリア)をはじめ、フィリピン語学研修および短期留学・ターム留学など、各種プログラムが多彩で、学んだ英語を使ってコミュニケーションを図る実践の場も豊富に設けています。

 「理数教育」では、大学系列校となる利点を生かし、文系の生徒にも高いレベルの理数教育が行えるよう、高2まで数学をしっかりと学べる体制を整える予定です。また理科は、ていねいに実験の授業に取り組みながら、考える力を養います。2025年秋に完成予定の新校舎には、充実した各種実験室を配置し、より実践的な理数教育を展開していく予定です。

 「キャリア教育」では、明治大学との高大連携プログラムを実施します。現在行っている大学の先生による出張講義、和泉図書館見学、明治大学メディア支援センター見学のほか、将来のキャリアに結びつく早期資格試験対策講座も開講されるとのことです。

 これらと密接にかかわっていくのが、独自の探究プログラム「創発学」です。これは、「創造する力」と「発信する力」を身につけるために開発されたものです。中1から事前学習にしっかりと取り組んだうえで、林業・漁業・農業を体験するフィールドワークを行います。樹木の間伐、船上での漁や市場での競りの見学、農家への民泊などを通して、それぞれが学んだことをプレゼンテーションします。

 フィールドワークのほかに、卒業生や保護者を招いて話を聞く職業講話などもあります。生徒が自分のキャリアについて深く学び、考える機会となっています。中3の冬には、中学でのキャリア教育の総まとめとして、『15年後の自分』と題した研究論文を執筆します。

 恩田先生は「こうした取り組みにより、卒業生の約7割(200名)以上が明治大学に推薦入試で進学できる体制の構築をめざしています。本校は大きく変わろうとしていますが、生徒をていねいに見る指導や、保護者と密に提携する姿勢は今後も受け継いでいきます」と締めくくりました。

 なお、2026年度入試からは女子の募集も行われますが、日程や科目などに変更はありません。恩田先生によると、「2023年度、2024年度は、合格するには6割強の得点率が必要でした。2026年度については、倍率の予測がつかない状況です」とのことです。最新の募集要項は学校ホームページをご覧ください。

イメージ写真 2025年秋ごろに新校舎が完成予定。「創発学」の学びをより深めるための充実した設備をはじめ、開放的なランチルームも整備される予定です

www.nihongakuen.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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