受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

中村中学校

2024年7月17日(水)

認知型学力と非認知型智力を磨き、「5Cを持ち合わせた女性」を育成

 中村中学校・高等学校は、「清く 直(なお)く 明るく」という校訓の下、「機に応じて活動できる女性の育成」に取り組んでいます。5年後に創立120周年を迎えるに当たって、これまで取り組んできた教育を時代に即してブラッシュアップしようと、新たなスクールミッションを「5C(カラット)を持ち合わせた女性」と策定しました。この5Cは、「Communication(対話)」「Care(親切)」「Commitment(自発)」「Challenge(挑戦)」「Curiosity(探究)」の頭文字で、それぞれが光り輝くスキルであることから、宝石の質量を表す単位caratとして命名されたそうです。

 この日のオンライン説明会の冒頭、教頭の江藤健先生は、直近8年間の大学進学率、難関大学への現役進学率、入試方法別大学進学率の推移をグラフとともに紹介しました。それによると、これまでおおむね80%前後で推移していた大学進学率が今年の卒業生で見ると95.2%に、2017年は37.5%だった難関大学現役進学率が、今春は62.5%に上昇しています。また、大学進学率を入試方法別に見ると、学校推薦型・総合型選抜利用者(旧推薦・AO入試)と一般入試利用者の比率は、2016年は1:4でしたが、近年では2:1と逆転しています。江藤先生は「本校からは、海外大学にも毎年コンスタントに合格者を輩出しています。今後も、生徒一人ひとりの目標に合わせたきめ細かい教育を通して、生徒の希望を実現させていきたい」と語りました。

 こうした右肩上がりの合格実績を支えるのが、「希望進路の実現」というゴールから逆算した学習指導です。日々の授業では、英語・数学・国語を中心に、小テストやノート提出などを頻繁に行い、生徒の理解度を細かくチェックしているほか、「My Growing Tree」と呼ばれる放課後学習システムを導入し、毎日夜8時まで質問型の個別指導に対応しています。キャリア教育も充実しており、「30歳からの自分を考える」をテーマに、さまざまな講演会や進路探究を行い、低学年のうちから自分自身の適性に徹底的に向き合わせます。なかでも特徴的なのが「キャリアサポーター制度」です。これは、学校推薦型・総合型選抜を希望する生徒一人ひとりに、担任とは別の教員がつき、エントリーシートや小論文の書き方の指導や、面接対策などをマンツーマンで行うものです。江藤先生も毎年キャリアサポーターとして生徒を指導しているそうで、「担任とキャリアサポーターの2人で生徒を支えれば、推薦入試に求められる力を効率的に身につけられます」と、そのメリットを語りました。

 続いて、画面には、海に浮かぶ氷山の写真が投影されました。江藤先生は、水面から出ている部分を「認知型学力」、水面下に隠れている部分を「非認知型智力」、そしてさらに海底に沈み込んでいる部分を「EQ(心の知能指数)」と定義し、「心の教育を土台に、教科学習で養われる『認知型学力』と、しなやかに困難を切り抜ける『非認知型智力』をバランス良く伸ばすことが大事だ」と説明しました。江藤先生が認知型学力と非認知型智力の具体例を挙げるなかで、特に重視しているものとして紹介したのが「思考・判断し、文字化するチカラ」です。これについては読書感想文コンクールや、学校説明会で校舎案内を担当する「中村AMBASSADOR」の活動、探究学習の成果を発表する「NQフェスタ」など、みずからの考えを論理的にアウトプットする機会の多さをアピールしました。

 最後は2025年度の中学入試についての説明です。一般入試は2科・4科の選択制ですが、2科・4科での判定のあとに、英検®有資格者は取得級によって「みなし得点」を加点する判定方法も加わるそうです。また、小学校での活動を評価する「活動アピール型」、英語スキルで勝負する「英語型」の2種類のポテンシャル入試も設けています。江藤先生は「受験生の皆さんには、得意なことを組み合せて、上手に利用してほしいと思います。挑戦をお待ちしています」と結びました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 女子校の良さは、「素の自分」を出しやすいこと。もちろん、共学校でも出せる生徒はいますが、それが苦手な場合は、女子校でそのスキルを学ぶのもありかもしれません

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