受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

捜真女学校中学部

2024年7月11日(木)

「本物体験」を重視した学びと「捜真Vプロジェクト」で社会に貢献する人材を育成

 1886年に米国バプテスト派の宣教師シャーロット・A・ブラウンが開いた私塾「英和女学校」を起源とする捜真女学校は、“Trust in God. Be true to your best self.(神を信頼し、最善の自己に忠実であれ)”というスクールモットーに基づき、聖書のメッセージを土台として生きる「よき市民」を育てています。

 この日のオンライン説明会の冒頭、校長の島名恭子先生は、多くの生徒が「捜真の良いところ」として「生徒と先生の距離が近いこと」を挙げている点に触れました。そして、「生徒たちがこのように感じているのは、教員と生徒の間に、その関係を超えた、人としての信頼関係が育まれているからだと思います。聖書に『喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい』とあるように、人は独りでは生きていけません。生徒には自分に与えられた能力を自分のためだけでなく、周囲の人々のために使い、より良い社会や平和をめざす人に成長していってほしいと伝えています」と説明しました。

 続いて、入試広報室室長の新井昂太先生が進路と学びについて説明しました。同校では11大学と教育連携協定を結び、出張講義・進路ガイダンス・特別授業などを実施しています。それとともに「本物体験」を重視し、提携大学で理科実験に挑戦したり、国語表現の授業ではプロのアナウンサーから発音を学んだりします。このように大学や企業、第一線で活躍する社会人とつながりながら、教室の外にも学習の場を広げています。

 キャリア教育にも力を注いでおり、進路指導の軸は「捜真Vプロジェクト」という中高6年縦断型の総合探究プログラムです。このプロジェクトでは学年ごとにテーマを決め、自他それぞれの大切さ、社会とのかかわり、職業観、将来の生き方などについて多面的に考えます。そして最終的に、生徒一人ひとりが自分の興味・関心・適性を生かして、進路選択へとつなげていくことをめざしています。たとえば、中2では「他者の価値」というテーマの下、ホームレスの人々のための炊き出しボランティアを体験し、「人間はみな、かけがえのない存在であること」を学びます。中3ではさまざまな職業に就く社会人へのインタビューに、高2では社会課題の解決のためのポスターセッションなどにそれぞれ取り組みます。

 こうした教育の成果として、進路選択に際しても、生徒はしっかりと目的意識を持って臨むため、半数以上が指定校推薦や総合型選抜によって志望校への進学を果たしています。その進路も多様で、10人に1人は芸術系や体育系の学部・学科に進んでいます。新井先生は「指定校推薦枠は700人分以上あり、数だけではなく学部・学科の種類も十分です。本校の教育内容と進学者の入学後の学びの姿勢が、各大学から評価されている証しだと考えています。さらに生徒1人を『受験生の経験・得意をよく知る教員』『大学の傾向を熟知した教員』『入試形態に特化した教員』の3チームでしっかり支援する体制も整えています」と紹介します。

 最後に、新井先生と在校生が学校生活の様子を対談形式で紹介しました。同校が大切にしているキリスト教教育の表れの一つが毎日の礼拝です。そこでは、先生方が自身の経験を聖書のことばと結びつけながら、生徒が興味を持つような話をしているそうです。捜真女学校では、生徒が行う『生徒礼拝』もあり、クラスの友人の気づきや学びを全員で共有します。これについて、その在校生は「入学前はキリスト教との接点がまったくなかったので、礼拝ではどんな難しい内容を取り上げるのだろうと心配でしたが、わたし自身の日常に重なる内容も多いため共感しやすく、自分を見つめ直す機会となっています」と話します。また、「個性的な生徒が集まっていて会話が楽しい」「家庭的な雰囲気で落ち着く」「体育祭は思う存分楽しんで、とても盛り上がる」といったコメントもありました。さらに、「将来は生徒の成長をサポートする先生になりたい」との夢も語られ、対談を通して、充実した学校生活の様子や先生方への信頼の厚さがよく伝わってきました。

イメージ写真 130周年記念事業で建てられた7号館。1階には明るい日差しが差し込むカフェテリアが、2階には午後7時まで利用可能な自習室があります

soshin.ac.jp/jogakko 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ