受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

白百合学園中学校

2024年7月11日(木)

143年の伝統を誇るミッションスクール。近年は理系志望者が文系志望者を上回る

 白百合学園は1881年の創立以来、「従順・勤勉・愛徳」という校訓の下、愛の心を持って社会に奉仕できる女性の育成をめざしています。

 SAPIX代々木ホールで開催されたこの日の説明会は、「ごきげんよう」という校長の青木タマキ先生のあいさつから始まりました。同校の「いちばんの特色」として青木先生は、「シャルトル聖パウロ修道女会を設立母体とする、女子を対象としたカトリックミッションスクールであること」を挙げたうえで、「とはいえ、信仰を押しつけることはありません。生徒には、長い人生を生きる指針としてキリスト教の価値観を学んでほしいのです」と話しました。併設小学校から毎年約110人が内部進学してくることにも触れ、「彼女たちは、中学から新しいお友だちが加わることをとても楽しみにしています。どうぞ安心してご入学ください」と述べました。

 続いて、入試広報部長の瀧澤裕子先生が具体的な教育内容について説明しました。最初に、日々の学校生活の基盤は宗教教育にあることが伝えられました。それは朝礼と終礼のお祈りをはじめ、週1コマの宗教の授業や年1回の修養会、クリスマス奉仕活動などを通して行われています。先日開催された合唱祭では、生徒たちが「世界では紛争が絶えないなか、わたしたちがこうして歌えることに感謝します。学園が一つになった歌声が、祈りとして世界に届けられますように」という祈りを捧げたそうです。瀧澤先生は「合唱祭本番の朝に、練習の成果を発揮できるようにと祈るのではなく、世界で苦しむ人のために平和を祈るところに白百合の心を感じました」と、生徒たちの心のなかに他者への思いやりが育っていることを強調しました。

 学習面では、まず語学教育から紹介しました。英語の授業は週5コマあり、そのうち3コマは日本人教員が、2コマはネイティブ教員が担当します。授業のほかにも、さまざまな国籍の講師を招いて、英語によるスピーチやプレゼンテーションの基礎を学ぶ「チャレンジ・イングリッシュ」(中1・2の希望者対象)などのプログラムがあり、生徒に好評です。ここ数年は、有志による英語でのディベート活動も活発に行われています。昨年は、イエール大学で開催された“World Scholar's Cup”の決勝大会に同校の生徒が出場しました。今年も同大会の国内選考で5名が入賞しており、次のグローバルラウンドに挑戦する予定だそうです。

 同校では、中学の3年間は、全員が英語に加えてフランス語を学びます。受験生からは「中学生が二つの言語を学ぶのは大変ではないか」という質問がよく寄せられるそうですが、瀧澤先生は「生徒たちは、英語とフランス語を同時に学ぶことで、二つの共通点や相違点を見つけながら、ごく自然に楽しく学習しています。まったく心配はいりません」とつけ加えました。

 理数教育にも熱心です。理科では実験を多く取り入れており、体験できる実験や観察は中学3年間だけで100種類以上あります。また、授業以外にも「富士山生態系実習」「組み換えDNA実験」など、大学の教授や外部団体の専門家から生徒が指導を受ける発展的な探究講座も充実しています。この狙いについて、瀧澤先生は「本物に触れる学習をたくさん体験することにより興味や視野を広げ、自分の社会での役割を主体的に考えていってほしいからです」と説明します。

 近年、理系志望者が増加傾向にあり、その数は文系志望者を上回っているとのことです。特に医療系の学部・学科を志す生徒が多く、2024年春の卒業生は、国公立大学の医学部医学科に5名が、私立大学の医学部医学科に21名が進学しました。なお、文系志望者のうち40%近くは、東大を含む国公立大学または早慶に進学し、文系・理系ともに成果を挙げています。

 最後に瀧澤先生は「本校は、伝統を大切にしつつ、新しいことにも挑戦できる学校です。ぜひ学園に足を運び、実際に生徒の生き生きとした様子をご覧ください」と結びました。

イメージ写真 都心にありながらも静ひつな空気が漂うキャンパス。学校ホームページの「校内施設と生徒の活動動画」からは、360度カメラ画像により施設の詳細が確認できます

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