受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

フェリス女学院中学校

2024年7月3日(水)

創立者の精神を受け継ぎつつ
学びを深める新たな教育を推進

 横浜の山手の丘の上に建つフェリス女学院中学校・高等学校は、1870年に設立された日本で最初の女子教育機関の一つです。キリスト教に基づき、“For Others”(他人のために)の精神を教育の柱に据え、自由で自律した女性を世に送り出しています。

 この日の説明会の冒頭、今年度から校長に就任した阿部素子先生は、開港間もない横浜で女子教育の礎を築いた創立者のメアリー・E・キダーが“Brave Pioneer”(勇敢な先駆者)と呼ばれていることに触れ、「生徒たちにも、一人ひとりに与えられた豊かな賜物を磨き、他者のためにミッションを果たす『勇敢な先駆者たれ』と伝えています」と述べました。

 続けて、阿部先生は「高1での広島研修旅行は、平和や核について深く学ぶ宿泊研修です。本校では、こうしたプログラムを大切にするとともに、今の時代に求められる新しい学びにも挑戦していきたいと考えています」と語りました。そのために、昨年末には教員全員で学校づくりを考える「先生たちのプロジェクト」を開催し、今年4月には、探究的な学びとICTの推進をめざす「教育企画部」が設置されました。生徒が体系的に探究のスキルを高めていけるように、来年度に向けてカリキュラムの改訂の準備も進められています。

 新たな試みとして、高2の二つの選択クラスの生徒が、フェリス女学院大学の教員からシチズンシップを学ぶ授業を受けたことも紹介されました。「次回は、デンマークのアクティビストを招いて開講する予定です。さまざまな大学との高大連携の取り組みも、より積極的に進めていきます」と阿部先生は強調しました。

「自律した学習者」を育てる
6年一貫のプログラムを整備

 次に、入試広報部長の近藤華子先生から、主に英語学習に焦点を当てた教育内容の説明がありました。「自律した学習者」の育成を目標とする同校では、中1・2の段階でノートの取り方からきめ細かく指導し、週1回の指名制の学習支援でフォローしながら、学びの土台となる力を培います。

 「導入期には、フォニックスや発音記号を取り入れて音読にも力を入れます。このように、音声を重視していることが特徴です。また、昨年度から中3に内容言語統合型学習(CLIL)を導入しました。英語で議論やスピーチを行うなかで、生徒たちは自然に英語力を身につけています」と近藤先生は話します。6年間を通して、少人数クラスで4技能をバランスよく伸ばす方針で、1人1台のタブレット端末も発音練習や単語学習に活用されています。

 グローバル教育プログラムについては、海外からの留学生と交流する「Global Studies Program」(中3~高2希望者)や、「東京グローバルゲートウェイ訪問」(中2全員参加)などがあり、来年度からは希望者を対象に、中3でのオーストラリア研修と、高1・2でのシンガポール研修が新設されることも伝えられました。

イメージ写真 中1は入学して間もなく、同校の長い歴史と伝統に触れるため、ゆかりの地を訪問する「山手めぐり」を体験し、創立者が眠る外国人墓地で祈りを捧げます

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