受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

渋谷教育学園幕張中学校

2024年7月3日(水)

「自調自考」の学びを実践する
全国屈指の進学校

 渋谷教育学園幕張中学校・高等学校は、1983年に千葉市の幕張新都心に高等学校が設立され、その3年後に中学校が開校しました。全国屈指の進学校として知られ、東京大学をはじめとする国内最難関大学や海外大学に毎年多くの合格者を輩出しています。

 満席となったこの日の説明会は、在校生がナレーションを務める学校紹介動画の上映からスタートしました。続いて、校長の田村聡明先生が登壇し、同校が掲げる三つの教育目標について語りました。

 一つ目は同校が最も大切にしている「自調自考の力を伸ばす」です。目まぐるしく変化する時代においては、「不測の事態に対応できるよう、自らの手で調べ、自らの頭で考え、何事に対してもあきらめることなく、積極的に取り組む姿勢」が求められます。「授業の開始・終了を告げるチャイムを鳴らさず、宿泊行事や校外学習も現地集合・現地解散としているのも、主体的に考え、動く力を身につけるためなのです」と田村先生は言います。また、この「自調自考」には、「己を見つめ、己を知る」という自己認識の意味も含まれています。「自分がどのような存在で、何をすべきなのか、どうあるべきなのかを中高時代に意識し、その先のキャリアの道を歩んでもらいたいという思いも込められています」と強調しました。

 二つ目の「倫理感を正しく育てる」には、「先を見通すことが困難な社会で多様な価値観を持つ人々と共存していくためには、一人の人間としての信頼を得ることが基本的条件である」という、同校の教育に対する考え方が反映されています。田村先生は「『うそをつかない』『一生懸命やることに意義がある』『よりよく生きる』といった考え方が身につくような学びを実践することも、わたしたちの務めです」と述べました。

第一線で活躍する先輩による
キャリアガイダンスが刺激に

 開校以来、多様な価値観を持つ帰国生や留学生を積極的に受け入れているのも、同校の大きな特徴です。こうしたダイバーシティに満ちた環境こそが、三つ目の教育目標「国際人としての資質を養う」につながっています。田村先生は「これからの若者にとっては、日本だけではなく世界が活躍の場となります。そのような時代において、コミュニケーションツールの一つとなる英語の運用能力を高めると同時に、国際感覚も磨いてほしいと願っています」と力を込めました。

 次に、校長補佐・入試対策室長の永井久昭先生から、進路指導について説明がありました。各界の第一線で活躍する人材を輩出し続ける同校で、生徒たちに大きな影響を与えているのが、年に30回ほど開催される「キャリアガイダンス」です。「直木賞作家の小川哲さんは、在学中に校内で開催された作家・五木寛之さんの講演に刺激を受け、作家を志しました。また、東京大学先端科学技術研究センター教授の星野歩子さんは、中学時代に見た元素周期表の美しさに感銘を受け、現在の道をめざしたそうです」といったエピソードも紹介されました。

 最後に永井先生は、「高1から高2にかけて生徒は自分の興味を掘り下げる『自調自考論文』に取り組みます。このように本校では、将来を切り開くきっかけとなるよう、自己を見つめる学びを実践しています」と結びました。

イメージ写真 2024年春の卒業生345名のうち、東京大学に51名、京都大学に6名が現役で合格。医学部医学科は国公立大学が42名、私立大学が77名という結果でした

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