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学校説明会レポート
開成中学校
2024年6月27日(木)
生徒の自主性を重視する伝統校
個性豊かな仲間と切磋琢磨する
SAPIX代々木ホールで行われたこの日の説明会は、サピックス教育事業本部本部長の広野雅明先生による入試解説からスタートしました。過去の平均点を教科別に紹介し、特に国語・算数では合格者と受験生全体との開きが大きいことを指摘したうえで、「どんな問題でも解けるように、日ごろから基礎から応用までまんべんなく学習しておくことが大切です」と述べました。出題傾向については、「各教科の解答用紙を見ると、国語・算数では記述式の問題が多く出されています。解答を導き出すまでの考え方を正確に書く練習も行いましょう」とアドバイスが送られました。
次に校長の野水勉先生が登壇し、沿革や教育内容について説明しました。開成中学校・高等学校は、加賀藩士の砲術家である佐野鼎によって1871年に創立された共立学校が起源です。遣米使節と遣欧使節に加わり世界を見聞した佐野氏は、「日本の近代化のためには、欧米並みの学校教育と英語学習が重要である」と感じ、学校の創立に至ったのです。
長い歴史のなかで築かれた学園の理念は、「質実剛健」「自主自律」「進取の気性と自由」、そして校章の起源にもなっている「ペンは剣より強し」です。こうした精神を育む場となるのが、生徒の自主運営による学校行事と部活動です。修学旅行・運動会・文化祭はすべて生徒主体で行われますが、その様子も動画で紹介されました。個性豊かな生徒たちが切磋琢磨し、伸び伸びと学校生活を送っていることがうかがえます。
専門性の高い教員が指導し
興味・関心や考える力を引き出す
同校では、「尖った個性を伸ばし、多様性を深く理解して、グローバルに活躍でき、信頼されるたくましい大人をめざしてほしい」という教育方針の下、部・同好会・研究会などの課外活動を幅広く奨励しています。ゲートボール部、俳句部、クイズ研究部、コンピューター部、生物部など数多くの団体が全国レベルで優秀な成績を収めていることでも知られています。数学研究部は国際数学オリンピックで金メダルを獲得した実績があり、今年は日本代表選手6名のうち、同校から1名が参加します。
教育の特色は、研究者や芸術家としても活躍しているような専門性の高い教員がオリジナル教材を使用して、生徒の興味・関心や考える力を引き出す授業を行っていることです。理科・社会は実験と実習を多く取り入れ、体験を通した学びを重視しているのが特徴です。英語は海外大学への進学も視野に入れ、卒業までに4技能を伸ばし、英語で議論ができる能力の習得をめざしています。中3ではGTEC®を、高1ではケンブリッジ英検を全員が受検することになっています。このほか、海外サマープログラムへの参加、海外大学・留学フェアの実施、留学カウンセラーによるアドバイスなど、海外大学志望者を積極的に支援する体制を整えています。また、卒業生の寄付による「ペン剣基金」からの研究費支援があり、昨年度に承認された研究の半分は中学生によるものだということです。
最後に野水先生は「地道な努力の過程こそが貴重な財産です。健康を維持しながら、地道に知力を積み上げてください」とメッセージを送り、説明会を締めくくりました。
※「GTEC」は、株式会社ベネッセコーポレーションの登録商標です。
放課後も利用できる広々とした食堂は、生徒の自主的な活動拠点でもあり、講演会やOB会などの催しにも利用されています
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