受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

聖光学院中学校

2024年6月21日(金)

中高6年間でしかできない体験を通して
高みをめざす自己肯定感を育む

 キリスト教教育修士会を母体とする学校法人聖マリア学園によって設立された聖光学院中学校高等学校は、“Be Gentlemen.”(紳士たれ)をモットーに、学力だけでなく、強い意志と弱者を思いやる優しい心を育てるための教育を実践しています。東大をはじめとする最難関大学への合格実績の高さから、首都圏屈指の男子進学校としても認知されるようになりました。今春の東大合格者数は100人(うち現役86人)となり、現役合格率(37.55%)では、全国トップとなりました。

 説明会に登壇した校長の工藤誠一先生は、卒業生の奮闘をたたえながら「彼らは中3に進級する直前に新型コロナウィルスの感染拡大による全国一斉休校を経験した学年です」と説明しました。2015年よりICTを活用した教育を進めてきた同校では、全生徒がノートパソコンを1台所持し、英会話のレッスン、作文などの共同編集作業、諸連絡などに活用しています。工藤先生は「当然ながら、オンライン授業への切り替えはスムーズに行われ、学習の遅れは最小限にとどめられたと自負しています。しかし、彼らが結果を出せたのは、不自由な状況でも学校生活をやり遂げ、自己肯定感が高まったからです」と強調しました。生徒の自主性を尊重する自由な校風の象徴でもある聖光祭(文化祭)は、日程変更や入場制限を余儀なくされながらも開催にこぎつけ、翌年以降も新しい見せ方を工夫しながらブラッシュアップしていきました。学年ごとに設けている宿泊行事も、「幅広い分野の知識を積極的に習得するためには、省くことができない体験ばかりです。半年、1年遅れとなったものもありましたが、ほぼ実行できました」とのことです。

授業では学べない知識を得る「聖光塾」や
コミュニケーション重視の海外研修

 生徒の興味・関心を広げるための取り組みとしては「聖光塾」があります。不定期に開催される啓発的な講座で、自由に参加でき、学年の制限もありません。同校教員による、自分の専門性を生かした内容もあれば、外部から招いた講師による、社会や最先端の研究に触れる内容もあります。情報分野ではAIの仕組みや画像認識など、通常の授業では扱わない高度な内容を学ぶ「Python講座」が人気だそうです。

 「他国の人と英語で交流し、視野を広げること」を目標にした国際教育にも定評があります。少人数制の英会話授業に加えて、電子端末を利用したオンライン英会話にも日々取り組み、コミュニケーション能力を鍛え上げます。希望者はホームステイや現地企業訪問、ボランティア活動などを盛り込んだ海外研修プログラムも経験できます。「近年では外部プログラムで海外に出る生徒も多くなり、7月には高1生6名がスイスで開催される国際サミットに参加します。期末試験期間の直前なので、特例として『試験免除』にしましたが、それでも半数が受けるそうです。生徒の挑戦を後押しするためには、走りながら改革していけばいいのです。臨機応変に対応できてこその私立校だとわたしは思います」と工藤先生は締めくくりました。

イメージ写真 武道場や屋上テニスコートを併設する体育棟など、運動施設も充実しています。13の運動部、12の文化部のほか、有志が集まり1年単位で活動する「公認団体」も数多くあります

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