受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

明治大学付属明治中学校

2024年7月2日(火)

「質実剛健」「独立自治」の校訓の下、「第一級の人物」を育てる

 明治大学付属明治高等学校・明治中学校は、旧制明治中学校として1912年に神田駿河台の明治大学構内に設立されました。それ以来、男子校として長い歴史を歩んできましたが、2008年にキャンパスを調布市に移すと同時に共学校となりました。

 この日の学校説明会では、副校長の北村純先生が、「質実剛健」「独立自治」という建学の精神を紹介しました。入学したばかりの生徒たちには、「質実剛健」は「内面も鍛えましょう」と、「独立自治」は「自分のことは自分でできるようになろう」と置き換えて伝えているそうです。そして、明治・大正・昭和の三つの時代にわたって活躍した法学者であり、初代校長を務めた鵜澤總明先生が開校以来、生徒たちに語り続けた「第一級の人物たれ」ということばに触れ、「鵜澤先生は、学問だけでなく、教養人としての立ち居振る舞いや礼節などを身につけてほしいと願っていました。校訓の『質実剛健』には、第一級の人物としての資質を持ち、誠実で心身ともにたくましく健やかに成長して、社会のリーダーになってほしいという願いが込められています」と述べました。

 明治大学への内部進学については、高校3年間の定期試験で総点の60%以上の成績を収めたうえで、「英検®2級に合格」「TOEICスコア450点以上取得」という二つの条件を満たせば、被推薦権が得られます。明治大学への被推薦権を保持したままでの他大学の受験も、国公立大学はすべての学部について、私立大学も多くの学部・学科について認めているとのことです。

 次に、中学教頭の鈴木正人先生が、中高の教育について詳しく説明しました。「基礎学力の徹底」を教育目標に掲げる同校では、平日6時限・土曜4時限と十分な授業時間を確保しています。また、数学と英語では週1回の補習講座を7時間目に設定し、先生から指名された生徒が参加しています。英語は中学3年間を通して週7コマの授業時数を確保し、少人数制で学びます。中1では出席番号順にクラスを二分割しますが、中2からは習熟度別となり、定期試験の成績を参考に、基礎・標準・発展の3クラスに分かれて学習していきます。

 なお、中学校から併設高校への進学には、「中3の2学期末までの成績において、全教科の平均が40点以上、主要5教科の平均が55点以上で、英検®準2級以上の1次試験に合格していること」という基準があります。鈴木先生が「アルファベットを書いたことがなかったという生徒もいますが、ありとあらゆる手段で育てていって、このような結果を出しているとお考えください」と説明しました。日々の授業以外にも英語力を磨く機会として、スピーチコンテストや国内外での語学研修(希望者対象)を実施しています。

 高大連携プログラムが豊富なのも、付属校であることのメリットです。大学教員による週2コマの「高大連携講座」(高2前期・高3後期)、明治大学の講義を受講すると、修得した単位が明治大学入学後に大学卒業に必要な単位の一部として認定される「プレカレッジプログラム」(高3希望者対象)などがあります。これらを通して、生徒たちは「大学で何を学ぶか」を理解したうえで進路選択につなげていきます。

 続けて、中2学級担任の藤波利奈先生が登壇し、スライドを使いながら、東京六大学野球応援、林間学校などに参加する生徒たちの様子を紹介しました。「1クラスは35~37名で編成され、教員と生徒とは、とても良い距離を保っています。生徒たちは明るく、めりはりをつけながら勉強に行事にと充実した学校生活を送っています」と語りました。

 最後に、2025年度の中学入試について説明がありました。現時点では変更の予定はなく、例年どおり、第1回は2月2日に、第2回は2月3日に実施されます。第1回と第2回の両方を受験した場合、優遇措置として第2回で3点が加算される制度があります。2025年度入試要項は、9月上旬に学校ホームページにて公開されるとのことです。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 サッカー部をはじめ、さまざまなクラブが精力的に活動しています。2023年にリニューアルされた人工芝グラウンドなど、運動施設は充実しています

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