受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

浦和明の星女子中学校

2024年7月2日(火)

一人ひとりを大切にする人間教育を実践し、他者を尊重する精神も養う

 浦和明の星女子中学・高等学校は、埼玉県唯一のカトリックミッションスクールです。1967年の高校創立以来、キリスト教に基づく「一人ひとりの人格を尊重する人間教育」を実践しています。学校名の「明の星」は聖母マリアを表し、「生徒たちに、聖母マリアのように輝く女性に成長してほしい」という願いから名づけられたそうです。校舎は、JR武蔵野線「東浦和」駅から徒歩8分で、県外各都市からも通いやすい立地です。

 さいたま市文化センターで開催されたこの日の説明会では、学校長の島村新先生が学園の歴史や沿革について紹介しました。同校は、カナダ・ケベック州に本部を置く聖母被昇天修道会を母体としています。1934年、この修道会からシスター5人が来日し、青森で教育事業を始めたのが、明の星学園の原点です。青森での献身的な活動が認められ、当時の浦和市からカトリック校創設の要望を受けたことから、同校が誕生しました。島村先生は「学校付近は現在ほど交通網が整っていなかったため、当時の応募者は二十数名で、生徒と教職員がほぼ同数という状態からスタートしました。しかし、次第に本校の教育が認められ、2003年には中学校を開校するに至りました。その前年に開催された説明会には、会場が満席になるほどの小学生と保護者を集めました」と説明しました。

 このころから、島村先生が説明会で必ず伝えているのが、同校が最も重視している「一人ひとりを大切にする教育」です。しかし、それは生徒一人により多くの時間をかける「少人数教育」のことではありません。島村先生は「生徒それぞれが、“おおぜいのなかの一人”ではなく、誰かと比べることのできない特別な存在なのです」と強調します。これは、同校がモットーとする「Be your best and truest self.(最善のあなたでありなさい。そして、最も真実なあなたでありなさい)」ということばに通じるそうです。また、説明会に参加する小学生や在校生に向けては「ニンジンさんはニンジンさん、ダイコンさんはダイコンさん、『あなたはあなた、わたしはわたし』でいい。ほかの人と比べる必要はない」とわかりやすく説明しています。島村先生自身、「ニンジンさん」や「ダイコンさん」をモチーフにした手芸などの作品を、生徒たちからプレゼントされることもあるとのことです。こうしたエピソードからも、教育理念がしっかり生徒に浸透していることがうかがえます。

 続いて、島村先生は校訓の「正・浄・和」について紹介しました。「正」には「ほんとうの私として(正しく)」、「浄」には「自由な人間として(浄く)」、「和」には「互いに助け合って(和やかに)」という意味がそれぞれ込められています。島村先生は「一人ひとりを大事にすることと同時に、みんなで仲良く生きることも大切にしています。他者の個性も認め、お互いに助け合いながら、仲良くするのは大事です。合唱のときにはみんなの声をよく聞き、互いに合わせようとしながら美しいハーモニーをつくりますよね。それと同じように、自分らしさを表現するには、ほかの人の個性も認め、互いに尊重し合う必要があるのです」と力強く話しました。

 また、高い大学進学実績や最新設備の整う校舎にも定評のある同校ですが、「校舎や進学実績よりも、学校が『何を大切にしているか』に注目してほしい」と力説します。

 説明会の最後には、学校生活を紹介する動画が上映されました。入学式、新入生オリエンテーション合宿、合唱コンクール、明の星祭、クリスマス行事など、一年を通じて生き生きと活動する在校生たちの様子がよくわかりました。島村先生は「学校見学会や学校説明会では、在校生が手伝っている様子がご覧いただけます。ぜひ、お子さんと一緒に本校に足を運んでみてください」と話を締めくくりました。

イメージ写真 広大な敷地内には、蔵書数が約10万冊にも及ぶ図書館、室内温水プール、生徒の憩いの場となるカフェテリアなど、さまざまな施設が整っています

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