受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

帝京大学中学校

2024年6月22日(土)

きめ細かい学習指導で自信と学習意欲を高め、「生涯学び続ける力」を育てる

 帝京大学は「努力をすべての基(もとい)とし、偏見を排し、幅広い知識を身につけ、国際的視野に立って判断ができ、実学を通して創造力および人間味豊かな専門性ある人材の養成を目的とする」という建学の精神を掲げています。その付属校である帝京大学中学校・高等学校は1931年に帝京商業学校として渋谷区本町に創立され、その後、改称と中学新設を経て、1995年に現在の八王子市越野に移転しました。JR中央本線「豊田」駅、京王相模原線「京王多摩センター」駅、小田急多摩線「小田急多摩センター」駅からはスクールバスが運行されており、生徒の6割以上が利用しています。

 この日、最初にあいさつに立った教頭の長田喜直先生は、「本校は、帝京大学の付属校ではありますが、ほとんどの生徒が他大学を受験する進学校です。6年後に目標の大学に合格できるよう、学習面では、生徒一人ひとりが『どのような学習をすればよいのか』を考え、その過程で得た『生涯学び続ける力』を一生の宝として過ごしてほしいので、我々教員はとてもきめ細かく指導しています」と述べました。今春は、国公立大学に35名(うち現役29名)、早慶上理ICUに131名(同119名)、MARCHに239名(同223名)、医学部医学科に7名(同2名)が合格しました。こうした実績を支えているのが、「心身が健やかで創造力と責任感にあふれた人材の育成」をモットーに実践されている、少人数クラス編成によるていねいな指導です。

 学校生活については、入試広報部主任の竹之内毅先生が紹介しました。それによると、「誠実・努力・敬愛」という校訓があるためか、「誠実で人当たりが良く、真面目で素直な生徒が多い」とのことです。中学校の1学年の人数は約120名で、約30名のクラスが四つあります。高校では新たに60名程度の入学生を迎え入れ、5~6クラス編成となります。生徒一人ひとりに寄り添って育てる少人数教育が特徴で、定期的な面談により学習レベルを把握して、それに合わせた習熟度別授業を行っています。生徒が気軽に質問や相談に来られるよう、職員室の扉は常に開放するようにしています。また、教室前の廊下にはホワイトボードが設置され、生徒たちが英単語や漢字の練習をしたくなったときや、先生に質問をするときなどは、それらのスペースを利用しています。

 同校では中高6年間を2年ごとに区切り、成長段階に合わせた指導を実践しています。中1・2を「基礎学力育成期」と位置づけ、中1の9月からは英語・数学で習熟度別授業を実施します。中3・高1は「思考力育成期」として先取り学習を行い、選抜クラスが1クラス設けられます。高2・3は「判断力・応用力育成期」であり、クラスは志望コース別に編成されます。生徒はそれぞれ、みずから設定した目標に向かって、本格的に学習に取り組みます。東京大学の名誉教授であり、教育心理学の専門家でもある校長の市川伸一先生は、生徒たちに学習方法をアドバイスすることもあるそうです。ICTを教材やツールとして授業で活用する一方、「教員と生徒が、じっくりと向き合う指導を大切にしています」とも話します。

 学校行事も盛んで、中学のみの行事として校外学習・体育祭・合唱祭などがあるほか、中高合同の文化祭は高2が主体となって盛り上げます。広い視野を養い、仲間との絆を深める場として、さまざまなクラブが活動していることや、沖縄修学旅行(中3)、ニュージーランド語学研修旅行(高1)、アジア地域修学旅行(高2)などが行われていることも紹介されました。このうち、ニュージーランド語学研修旅行は希望者が対象ですが、参加率は例年90%を超えるそうです。

 2025年度入試に大きな変更はなく、例年どおりの日程で実施されます。特待生は、第1回の4科受験の上位合格者から若干名、第2回の上位合格者から15名選出されます。試験期間中は自家用車による送迎も可能ですが、スクールバスが優先されるため、「スクールバスを利用したほうが時間は読みやすい」とのことです。

イメージ写真 学習に集中できる自習室や図書室、廊下の各所にある学習エリア、気軽に入れる職員室など、校舎内のあらゆる場所が学びのためのスペースになっています

www.teikyo-u.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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