受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

早稲田佐賀中学校

2024年7月13日(土)

早稲田大学系属校のメリットと、佐賀の自然を最大限に生かした教育活動を実践

 早稲田佐賀中学校・高等学校は、早稲田大学の創立者・大隈重信の出身地である佐賀県に2010年に開校した、早稲田大学7番目の附属・系属校です。「学問の独立」「進取の精神」「地球市民の育成」という建学の精神を掲げ、確かな学力と豊かな人間性を兼ね備えたグローバルリーダーの育成をめざしています。

 SAPIX代々木ホールで開催された説明会の冒頭、教頭の市来公平先生はクイズ形式で会場の小学生とやり取りをしながら、学校の特色を次のように説明しました。「本校は、玄界灘に面した唐津城の城内に立地する、全国でも珍しい学校です。国内の32都道府県に加えて、海外からも生徒が集まり、中学生の段階から多様な地域の人と交流できるのも魅力です」。全校生徒の約65%が共同生活を送る附設寮には、首都圏出身の生徒も数多く入寮しています。県外からたくさんの生徒が集まる理由の一つとして市来先生は、同校が早稲田大学の系属校であることを挙げ、「早稲田大学の学校推薦型試験(内部推薦)を利用し、早稲田大学へ進学できることが本校の特徴の一つです。これまでの内部推薦は入学定員の50%に当たる120名でしたが、これから入学される皆さんは入学定員の60%である144名までに拡大されます」と強調しました。 

 中学校の教育内容については、「早稲田的な要素」と「佐賀的な要素」の二つの側面から詳しい説明がありました。「早稲田的な要素」として紹介されたのは、「学習指導」「人材資源」「文武両道」「国際教育」「生徒主体」の5つです。数学と英語の週テストを含む各種テストやベースアップ補習などで基礎学力をつけたうえで日々の授業で思考力を伸ばし、中1は佐賀(唐津)、中2は九州、中3は日本へと視野を広げる3年間を貫く探究活動で実践力を鍛えます。学びの楽しさを体感する希望制の探究学習講座「ワセクエ」(早稲田佐賀クエスト)も年間で約100講座が開講され、現在、中1の生徒の発案で、地元の製菓会社に新商品の企画をプレゼンテーションする活動も進行中とのことです。

 市来先生は、早稲田大学のネットワークを生かした高大連携の取り組みや、活発な部活動、充実した英語教育にも触れ、「多彩な留学制度のほか、『オーストラリア語学研修』や『ホーチミン近未来都市研修』、アメリカの名門大学を巡る『ボストン三大学研修』などの希望者を対象とするさまざまな海外研修制度を整えています」と述べました。また、行き先から行程まですべて生徒が設計する中3の修学旅行など、生徒が主体となって運営する学校行事も充実しています。

 一方、「佐賀的な要素」としては、入学直後に2泊3日でクラスの仲間と絆を深める新入生研修「佐賀大自然体感プログラム」をはじめ、自然のなかで楽しむ体験学習のプログラムが豊富に用意されています。市来先生は「本校では、学びの原点は体験だと考えています。細かく設定したルーブリックも活用しながら、生徒たちはさまざまな体験を通じて、グローバルリーダーとしての成長を遂げていきます」と語りました。

 寮生活についての説明は、生徒が作成した動画の上映を挟んで行われました。大隈重信の幼名にちなんで「八太郎館」と名付けられた同校の附設寮は、校舎から徒歩15分ほどの距離にあり、自主自立を学ぶ教育の場でもあります。中1~高1は4人部屋、高2以上は個室で生活し、高1までは全体学習の時間も設定され、教員や大学生のサポートの下で自学自習に励みます。市来先生は「寮生活を経験すると、生徒は大きく成長します。ただし、自分の思いどおりにならないことも多い集団生活なので、意志と覚悟を持って入寮していただければと思います」と話し、寮生活の心構えを伝えました。

 なお、2025年度入試より、1月入試においては算数の得点を1.2倍に換算して合否が判定されます。詳細は9月下旬に発表される募集要項でご確認ください。

イメージ写真 福岡空港から高速を使用すれば車で約1時間、博多駅からは電車で約80分。美しい自然や史跡に囲まれたキャンパスで伸び伸びと過ごすことができます

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