受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

普連土学園中学校

2024年7月9日(火)

生徒一人ひとりに与えられた可能性を開花させ、世に貢献できる女性を育成

 普連土学園は1887年、アメリカ・フィラデルフィアのキリスト教フレンド派(クエーカー)に属する婦人伝道会の人々によって、米国留学中だった新渡戸稲造と内村鑑三の助言に基づき設立されました。フレンド派の創始者ジョージ・フォックスのことばである“Let Your Lives Speak(口先だけではなく、あなたの生き方をもって示しなさい)”をモットーに、生徒一人ひとりに与えられたかけがえのない賜(たまもの)を1学年3クラスという家庭的な雰囲気の下、大切に育んでいます。

 説明会の冒頭、あいさつに立った校長の青木直人先生は「地味でおとなしいと評される普連土生ですが、行事などでは思い切り楽しみ、はじけます。自分をしっかりと持っていて、集中すべきときは集中できる生徒が多く、めりはりをつけて学校生活を謳歌しています」と話しました。また、校名の「普連土」は「普(あまね)く世界の土地に連なる」という意味で、明治期を代表するキリスト者・津田仙(津田梅子の父)によって考案されました。人間を隔てるあらゆる壁を乗り越えて、世界中の人とつながってほしいという願いが込められているそうです。

 青木先生は「普連土学園の教育目標として『自ら考え、自ら道を切り開き、自らの責任で行動し、国際的な感覚と異質なものに対する寛容な態度を養い、他者のために惜しみなく使う』ということを生徒たちと共有しています。その結果、優しい子たちがいっぱいいる学校です。ぜひ、その一端を見ていただいて、本校をお嬢さまの大切な人生の選択肢の一つに加えていただけたら幸いです」と結びました。

 続いて、広報部長の池田雄史先生が教育内容とカリキュラムについて説明しました。同校の朝は早く、午前8時には出欠確認が行われ、その後の20分間が礼拝の時間となっています。月曜日・火曜日は教員の話を聞く日で、水曜日は「沈黙の礼拝」、木曜日はクラス礼拝です。金曜日は自治会役員の生徒が全校生徒の前で話をします。池田先生は「6年間で人の話を約1000回も聞くことになるので、周囲の人がどんなことを考えているのかがわかり、さまざまな気づきが得られる良い機会になっています」と語りました。

 学習面では、きめ細かい指導によって基礎力の向上を図る方針で、中学では数学と英語に各クラス2名の教員を充てています。数学では、チームティーチングや分割授業などでていねいに指導するとともに、小テスト、ノートチェックなどで一人ひとりの理解度を確認します。高校では英語・数学以外の教科でも習熟度別による少人数制授業を行っています。

 「みずから主張し、発信できる」ことをめざした英語力の養成にも力を入れています。ペアワークやグループワークを取り入れるなどして、生徒全員が英語で話す機会を持つようにさせているのが特徴です。中学では全学年でクラスを分割して授業を行いますが、日本人教員は主に文法力・読解力の養成に力点を置いて指導します。一方、ネイティブ教員はリスニング・スピーキングの力を重視した指導を行っています。ネイティブ教員や海外からのゲストと一緒に昼食をとるイングリッシュ・ランチや、夏休みの3日間を英語だけで過ごすイングリッシュ・キャンプ(中3)なども、英語力を身につける機会となっています。高校では、海外からの留学生をファシリテーターに招き、3泊4日でディスカッションを重ねるエンパワーメントプログラムが行われます。そのほかに、同校の建学のルーツを訪ねるイギリスでの夏期研修、地雷撤去活動の現状を視察する「カンボジア アキ・ラー プロジェクト」など、生徒の知的好奇心を養うプログラムも豊富で、中期・長期留学への支援体制も整っています。

 また、高3では文系か理系かに関係なく希望者を対象に、マンツーマンで小論文個別指導を行っています。志望大学や志望学部に応じて担当教員が割り振られ、総合型選抜の対策にもなっています。春・夏の長期休暇中には、さまざまな分野への関心を広げるための「教養講座」も数多く開講されます。文系・理系のコース制はとらず、各自が選択科目を履修して、希望進路を実現させています。

イメージ写真 建築家・大江宏氏が設計した中学校舎は、東京都選定歴史的建造物です。大江宏が法政大学建築学科の基礎を築いた縁から、同校の生徒が法政大学の学生と研究を通じて交流しています。他大学との高大連携も進んでいます

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