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学校説明会レポート
国学院大学久我山中学校
2024年6月11日(火)
男女それぞれの特性を伸ばす環境の下、伝統文化を継承しながら未来を築く力を高める
東京都杉並区にある国学院大学久我山中学高等学校は、全国的にも珍しい男女別学の学校です。男女それぞれの特性を伸ばすために、授業は別々の校舎で行う一方で、部活動や学校行事、委員会活動などは男女合同で取り組みます。この日の学校説明会では、入試広報部の梶善之先生が「教育方針」と「男女別学の学習環境」について紹介しました。
教育理念に掲げる「忠君孝親」「明朗剛健」「研学練能」という学園三箴は、現在では「規律を守り誇りと勇気をもって 責任を果たそう」「たがいに感謝の心をいだき 明るいきずなを作ろう」「たゆまざる努力に自らを鍛え たくましく生きよう」との実践目標に置き換えられています。梶先生は「乱れのない服装をする、あいさつをする、時間を守るといったことはしっかりと指導します。生徒には当たり前のことを、当たり前にできる人となって社会に出てもらいたいと考えているからです」と話します。そのようにして過ごした卒業生が残したことば「きちんと青春」は、同校のスローガンになっています。そこには「何事にも前向きに取り組み、失敗してもやり直すチャンスがある学校」との意味が込められているそうです。
「男女別学」については、男子と女子とでは、中高時代の成長のスピード、授業への向き合い方、理解の深め方が違うと、同校ではとらえています。そのため、日常の授業や生活指導、宿泊行事などは、男女別に行われます。同校ではコース制をとっており、男子部・女子部それぞれに、最難関国公立大学または医学部医学科に挑む「STクラス」が設置されています。このコースは、基礎力を固めながら発展的な学習にも取り組むのが特徴で、数学は中2で中学の学習範囲を学び終えることを目標としています。進路実現に向けた実力養成を目的とした「ST特別演習授業」が必修(高校は希望制)で、校外模試対策や外部資格検定対策など応用分野の授業を受けます。
また、男子部には難関大学への現役合格をめざす「一般クラス」があります。このコースは「得意を伸ばし、苦手を克服」をモットーに、少人数制授業(中2・英語)や習熟度別クラス(中3・英語/数学)を導入して手厚くフォローしていることが特徴で、夏期休暇中には希望制の「応用講座」と、指名制の「フォローアップ講座」が開講されています。一方の女子部には、日本の伝統文化や歴史を深く学ぶとともに英語による発信力を鍛える「CCクラス」を設置しています。各国からの留学生との交流、障害者との交流、英字新聞づくりといった体験型学習プログラム「Global Studies」と国際交流プログラムが必修となっています。
同校は日本の伝統文化や歴史の研究に強みを持つ國學院大學の付属校として、男子部・女子部ともにその特色を生かした教育を実践しています。たとえば男子部では、世阿弥の一生やそのことば、能の歴史を学んだうえで、能面や能衣装に直に触れ、現役能楽師から舞や謡を学び、みずからも体験する「能楽教室」を中2の2学期に実施しています。礼儀を身につける場として武道も重視していて、中1で柔道を、中2で剣道を学びます。中3以降はいずれかを選択し、高3では武道大会を行います。高2の修学旅行では九州を訪問し、神話の舞台として知られる宮崎で日本文化の発祥について考え、長崎で平和学習を行います。なお、現高1生からはオーストラリアコースとの選択制となる予定です。このほか、女子部では日本の伝統・文化を学ぶ「女子特別講座」を開講しています。中1の「ことば」から始まり、中2の「華道」、中3の「茶道」、高1の「能楽」、高2の「日本舞踊」と続き、高3では総括としてマナーを学びます。修学旅行は「もっと日本を、もっと世界へ」をテーマに、奈良・京都を訪れる「探究コース」、またはニュージーランドで現地校の生徒と交流を深める「発信コース」のいずれかを選択できます。
男子部校舎(写真右)と女子部校舎とは、自習室や図書館を備えた学習センター(写真左)を挟んでつながっています
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