受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

西大和学園中学校

2024年6月8日(土)

さまざまな体験から刺激を受け、非認知能力やみずから社会を変革しようとする力を磨く

 1986年、「次代を担う高い理想と豊かな人間性をもった生徒の育成」を目標に、男女共学の西大和学園高等学校が奈良県に誕生しました。続いて1988年に男子のみの中学校が開校し、2014年からは中学校でも女子の募集を開始しています。また、関西以外から入学する生徒のために、敷地内には男子を対象とした寮も設置されています。関西有数の進学校として知られ、2024年度の大学合格者は、東京大学71名、京都大学29名、国公立大学医学部医学科(防衛医科大学校を含む)32名などとなっています。

 この日の説明会はSAPIX代々木ホールで開催され、その冒頭で学園長の岡田清弘先生から1月に実施される入学試験についての説明がありました。関西以外の受験生のために東京や名古屋などにも会場が設けられます。定員は男子180名、女子40名で、昨年は合わせて約2300人が受験しました。

 入試問題については「西大和学園に入学後も伸び続ける力、物事に夢中になれるセンス、損得を超越する利他的な価値観、これらを持っているのかを試すものです。国語の問題文が長かったり、算数や理科の問題の設定が複雑だったりして難しいと思うかもしれませんが、そこには『こんなおもしろい世界があるよ。君たちは夢中になれるかな?』というメッセージが込められているのです」と話します。

 体験を重視する同校の教育についても説明がありました。中1ではウミガメの産卵観察や化石採集などの自然体験、中2では職場体験などの職業研究、中3ではそれぞれの決めたテーマに基づく卒業研究に取り組みます。また、中3では全員が約10日間にわたるアメリカグローバル研修プログラムでホームステイや現地校との交流などを行い、国際人としての第一歩を踏み出します。ほかの国際プログラムとしては、中3の希望者対象の1年または3か月のアメリカ留学、高1の全員が参加する海外探究プログラム、高1の希望者対象のハーバード大学での次世代リーダー養成プログラムがあります。

 高校では、キャリア教育として、スーパーサイエンスハイスクール指定校ならではの理科実験や実習、模擬国連、グローバルビジネスリーダー育成を目的とした「アクションイノベーションプログラム(AIP)」の三つがあり、このなかからいずれかを選択します。AIPは、2014年に文部科学省の指定を受けたスーパーグローバルハイスクールとしてのプログラムをさらに進化させたものです。「与えられた仕事に自分を合わせにいくのではなく、自分で仕事を作り出すようなマインドとスキルを養います。国内外で活躍するトップリーダーを本校に招いて、課題の見つけ方や、それを解決するためのプランニングの仕方のほか、その方自身の生き方を話していただくこともあります」と岡田先生は説明します。そして、こうした刺激的なプログラムの狙いについては、「さまざまな体験や出会いを通して、非認知能力や、みずから社会を変革しようとする力を磨いてほしいのです。それが勉強に本気で取り組む原動力となり、本校の進学実績にもつながっているのです」と力説しました。

 校地が大阪府に近いことから、全校生徒1700名のうち、奈良県から通うのは1割程度です。5割は大阪府から、1割は兵庫県から通っています。寮生活を送っているのは約230名です。「寮生活には、ある程度の自立心が必要ですが、自己抑制が身につきやすい、生活リズムができやすい、学習習慣がつきやすい、人とのかかわり方が身につく、友人関係が広がるといった魅力があります。何より、感謝の心が涵養され、それはやる気にもつながります。生活から学習まで、丸ごと引き受けるのが本校の寮です」と結びました。

イメージ写真 最寄り駅のJR「王寺」駅へは、JR「大阪」駅から快速で約40分。緑に恵まれた環境にあります

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