受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

駒場東邦中学校

2024年6月9日(日)

「自主独立の気概」「科学的精神」で
本物に触れ、論理的思考力を培う

 1957年に学校法人東邦大学によって設置された駒場東邦中学校・高等学校は、首都圏有数の男子進学校として知られています。創設にかかわったのは、東邦大学理事長・額田豊博士と、都立日比谷高校の校長を務めた菊地龍道先生です。戦後の貧しさから脱却し、青少年に明るい夢を持たせようと、創設時から新たな教育の理想を求めて学際的な学びを推進してきた同校は、医学界だけでなく、政財界など幅広い分野で活躍する卒業生を数多く輩出しています。

 この日の説明会は、中学教頭の田子久弥先生と理科教諭の堤裕史先生が担当しました。田子先生は冒頭で、同校の教育理念である「自主独立の気概」「科学的精神」に触れ、「この教育理念の下、本校は時代の変化を受け止めながらも、揺るぎない英知を培う学びを実践してきました。また、理科教育ばかりでなく文系科目にも科学的精神を応用して論理的思考を養い、本物に触れながら自立学習を積み重ね、真の自主性を持った生徒を育てています」と語りました。

 続いて、実際の教育内容が紹介されました。同校には理科実験室が9室あり、そこで実際に手を動かして五感をはたらかせ、得る学びを重視しています。説明会では解剖の様子や野外観察で描いたスケッチ画などが紹介され、好奇心いっぱいに日々の授業を楽しむ生徒の姿が確認できました。理科に限らずどの教科でも、「本物」に触れて探究する喜びに向き合い、思考力を高めるのが同校の方針です。

生徒がつくり上げる学校行事
多様な課外活動で自主性を育む

 中高6年間のカリキュラムは有機的・系統的に学べるよう編成されています。中1・2の理科実験・英語・技術でクラスを分割して少人数での授業を行うのは、実体験を重視しているからです。それを実現するため、たとえば光学顕微鏡は生徒1人が1台ずつ使用できるよう数をそろえています。国語・数学・英語については、高2までに高校の学習内容を学び終え、高3では大学入試を見据えた演習が中心となります。

 サポート体制も整っています。個々の学習の進捗状況に応じて、夏休みなどには補習授業を行い、基礎力の徹底を図ります。また、放課後に卒業生が在校生の質問に対応する「駒場東邦学習サポートシステム」も夜7時30分まで利用できます。

 校外学習は「本物に触れる」がテーマで、中1は霧ヶ峰林間学校に行き、中2は鎌倉見学・志賀林間学校を経験します。中3の奈良・京都研究旅行は、中学での学びの集大成として文献調査と現地調査を行ったうえで、1年近くかけて論文を作成します。

 学校行事も多彩です。体育祭は6学年を縦割りにした4色のチームに分かれて競います。卒業までの6年間、赤・白・青・黄のいずれかの組に一貫して所属し、人間関係を築くのが同校の伝統です。文化祭も生徒主体で運営されますが、本格的な展示と生徒によるギャラリートークが特徴的です。部活動では、関東大会や全国大会への出場歴のある部が多く、生徒一人ひとりがやりたいことに打ち込める環境が整っています。

イメージ写真 蔵書数約8万冊の図書館、人工芝の運動場、室内温水プール、コンピューター室などが整う学習環境が魅力。2023年には食堂もリニューアルされました

www.komabajh.toho-u.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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