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学校説明会レポート
東京都立小石川中等教育学校
2024年5月31日(金)
創立時から受け継がれる理念の下
中高一貫の強みを生かした教育を実践
2006年に開校した東京都立小石川中等教育学校の前身は、1918年に創立された東京府立第五中学校です。初代校長・伊藤長七の時代から100年以上にわたって受け継がれてきた「立志」「開拓」「創作」を理念に掲げ、中高一貫校の強みを最大限に生かした教育活動を実践しています。
この日、SAPIX代々木ホールで開催された説明会では、校長の鳥屋尾史郎先生が登壇し、教育活動の3本柱「小石川教養主義」「理数教育」「国際理解教育」を紹介しました。
同校では、幅広い教養を重視する「小石川教養主義」に基づき、生徒全員が共通カリキュラムで学習し、文系・理系によるクラス分けは行いません。鳥屋尾先生は「文理の枠を超えて学ぶことで、幅広く奥深い知識と教養を身につけ、将来の予測不能な時代をたくましく生きる力を育みます」と強調しました。カリキュラムで最も特徴的なのが、6年を通して実施される課題探究型学習「小石川フィロソフィー」です。1年生(中1)から6年生(高3)まで段階的に探究のスキルを伸ばし、課題発見力、継続的実践力、創造的思考力の三つの力を育成します。5年生(高2)では各自がテーマを設定して研究に取り組みます。6年生(高3)ではその成果を論文にまとめ、校内外に広く発信します。課題研究のテーマは多彩で、なかには大学レベルの研究に挑む生徒もいるそうです。
高度な理数教育と国際理解教育を実践
世界で活躍できるリーダーを育む
「理数教育」については、文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けており、4期目に入っています。物理・化学・生物・地学など分野ごとに五つある理科実験室を活用し、1年生から実験・観察の授業を数多く設け、国際的に活躍する科学技術人材の育成をめざします。また、理科と数学の両面から課題解決を試みる「理数探究基礎」や、物理・化学・生物・地学を横断的に学ぶ「小石川サイエンス」など、新たな試みも取り入れています。
「国際理解教育」は、全員参加で2週間のホームステイを体験するオーストラリア海外語学研修(3年生)とシンガポールへの海外研修旅行(5年生)が軸で、そのために英語教育にも力を入れています。5名の外国人教員が日本人教員と共に授業を担当し、習熟度別・少人数制によるきめ細かい指導で4技能をバランスよく伸ばします。アウトプットの場としては、オンライン英会話を受講するほか、年間を通して世界各国の生徒と交流する機会を設け、異文化理解を深めています。
クラブ活動や学校行事も盛んです。物理研究会のロケット班は、社会人も参加する大会で全国2位を獲得したそうです。さらに、芸能祭・体育祭・創作展の三大行事をまとめて開催する「行事週間」は、およそ90年も続いている、小石川の伝統が最も感じられる行事です。生徒たちはこうした行事や部活動に全力で取り組みながら、難関国公立大学などに合格する力をつけ、希望進路を実現させています。鳥屋尾先生は、「進学実績は、研究や海外での体験も含めて、さまざまな教育活動の成果の表れだと考えています。本校では、大学合格のその先を見据え、社会に出てからも伸び続ける人を育てることを大事にしています」と結びました。
高度な理数教育を実践している同校では、多くの生徒が国内外の理数系コンテストで優秀な成績を収めています
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