受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

早稲田大学系属早稲田実業学校中等部

2024年5月30日(木)

多様性に満ちた環境で
受験にとらわれない学校生活を

 早稲田実業学校は、1901年に早稲田大学の創立者である大隈重信によって設立されました。創立100周年にあたる2001年にキャンパスを現在の東京都国分寺市に移し、翌2002年に男女共学化と初等部の開校を実現させました。校是「去華就実」と校訓「三敬主義」の下、「豊かな学識と表現力を持つ次世代のタフなリーダー」の育成をめざしています。

 SAPIX代々木ホールで開催されたこの日の説明会には、中等部教頭の鈴木雅隆先生が登壇し、「早稲田大学の付属校・系属校のなかで、本校は唯一、小・中・高のすべての段階から児童・生徒を受け入れており、都内では唯一の共学校です。さまざまなバックグラウンドを持った多様な生徒が集まり、互いに刺激し合って大きく成長しています」と述べました。同校は早稲田大学とは別法人の系属校ですが、大学とのつながりは深く、卒業生のほぼ全員が早稲田大学に進学可能です。今春は卒業生384名のうち373名が内部推薦で早稲田大学に進学しました。近年、日本医科大学と高大接続連携協定を締結し、毎年2名の推薦枠が付与されるようになったため、医学部への門戸も広がっています。鈴木先生は「受験勉強にとらわれることなく、6年間の学校生活を楽しんでもらえるのが本校の最大の特色であり、魅力でもあります」と同校のメリットを強調しました。

中1から探究活動を積み重ね
生徒を主体的な学びに導く

 教育内容の説明で重点が置かれたのは、中等部と高等部のそれぞれ3年間を一つのサイクルとして、探究の力を高める「総合プロジェクト」です。中1・2では地元の国分寺市に関連する課題を掘り下げ、中3では個人で卒業研究レポートの作成・発表に取り組みます。さらに、高1では「未来の食堂のメニューを創ろう」「早稲田大学について知ろう」というテーマで探究活動に取り組み、高2では少人数ゼミ「早実セミナー」でより研究を深めていきます。「生徒たちは20を超えるテーマから興味のあるプロジェクトを選んで、みずから課題を設定し、高3での研究発表につなげていきます。こうした取り組みによって、生徒が主体的に学びに向かう力を育てていきたいと思います」と鈴木先生は熱意を込めて語りました。来年度に向けて、少人数での学習にも対応できる複数の教室を備えた校舎も増築中とのことです。

 イギリスのRugby SchoolやStamford Endowed Schoolsで1年間学ぶ正規留学制度をはじめとした、多彩な海外交流プログラムも紹介されました。高等部で1年間留学する場合、留学先での学習成果が認められれば帰国後には元の学年に復学でき、内部推薦の資格を失わない体制も整えています。

 鈴木先生は、充実した施設を活用して全国レベルで活躍するクラブ活動や、活気あふれる学校行事などに触れ、「早稲田大学に行って恥ずかしくないだけの基礎力はつけさせますが、勉強以外にも6年間で『自分はこれに打ち込んだ』と言える何かを見つけ、それを携えて卒業してほしいと願っています」と結びました。

イメージ写真 高2以上の生徒が早稲田大学の正規講義を聴講し、高等部に在籍しながら大学の単位を取得できる高大連携制度も設けられています

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