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学校説明会レポート
学習院女子中等科
2024年6月10日(月)
伸び伸びとした環境の下で、現代にふさわしい知性と品性を養う
1885年に華族女学校として設立された学習院女子中・高等科は、創立以来、一貫して「その時代にふさわしい知性と品性を身につけた人物」の育成をめざしています。
この日、SAPIX代々木ホールで開催された説明会は、サピックス教育事業本部本部長の広野雅明先生の入試解説から始まりました。直近のデータから、合格の目安となる偏差値、併願パターンなどを紹介した後、広野先生は「筆記試験では、答えだけではなく、式や解き方も記述させる問題が多く出ます。6年生の秋以降は過去問をしっかり学習し、こうした試験のスタイルに慣れていってください」とアドバイスを送りました。
次に、学習環境や教育内容、学校生活などについて紹介したのは教頭の家本佳代子先生です。同校は交通至便な場所にありながら、緑豊かで、広々としたキャンパスが魅力です。国の重要文化財にもなっている鉄製の赤い正門は、東京メトロ副都心線「西早稲田」駅から徒歩1分です。その門を抜け構内に入ると、13万冊以上の蔵書を備えた図書館、二つの体育館、温水プール、理科4分野の実験室と講義室など、さまざまな施設がそろっています。
家本先生は「本校では、生徒一人ひとりをダイヤモンドの原石ととらえています。その時代にふさわしい知性と品性を身につけ、人としての『正直さ』や『思いやり』を大切にしながら、生徒同士で原石を磨き合い、互いを高め合うことを願っています。キャンパス内の数々の施設も、それを磨くための道具です」と述べました。
そうした充実した施設を活用し、同校では「本物に触れる」「過程を大切にする」「表現力を身につける」ことに重点を置いた教育を展開しています。たとえば、理科ではキャンパスの豊かな自然環境を利用して、観察や実験を多く取り入れ、「本物」に触れています。さらに、理科4分野は、1年次からそれぞれの専門の教員が担当し、「掘り下げる授業」を徹底しています。さらに、「進度」より「深度」を重視し、学びを深めることの楽しさを伝えています。
成績評価はテストの点数のみでは行わず、自分のことばで表現できているかなど、「学びの過程」も大事にしています。家本先生は「試験では、計算式などの過程を見て、評価・採点しています。途中式などプロセスでのミスを指摘されると、なぜ間違えたのか、その過程を追えるので、改善につながります」と説明しました。国語では、本を読んで感想をまとめる「読書ノート」があり、たくさんの優れた文章に触れるとともに、自分の考えを的確に表現する力を養っています。一方、英語は全学年でクラスを分割して少人数での授業を実施しています。グループワークやスピーチなどを行う機会を多く設けて、4技能をバランス良く伸ばします。なお、高等科では、英語のほかにドイツ語とフランス語を選択科目として設定し、幅広い教養を養っています。このほか、各教科で探究学習、ディベート、ディスカッションなどを積極的に取り入れ、思考力や表現力を培っています。
実技科目にも力を注いでいます。週3時間の体育の授業のなかには、温水プールを使用した水泳の時間があり、中1・2では泳力に応じたティーム・ティーチングが年間を通して行われます。入学時にまったく泳げなかった生徒も、卒業までには個人メドレーができるほど上達するそうです。また、家庭科では、1人が1台のミシンを使ってエプロンや三角巾を作り、在学中に調理実習で使用します。実習もただ作るだけではなく、「なぜ、この順番で調味料を加えるのか」「お年寄りや子ども向けの場合は、味の配合をどう変えるか」まで考えるよう促しています。
最後に、入試についても説明がありました。家本先生は「途中式や考えの過程を評価して加点します。自分の考えを解答用紙に書き、部分点につなげてください」とアドバイスを送りました。
都心にありながら、緑豊かで、広々としたキャンパスには200mトラックを備えたグラウンドもあります。中・高等科の校舎には、8室の理科教室や吹き抜けの坪庭「光庭」などがあります
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