受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

立教池袋中学校

2024年6月18日(火)

キリスト教に基づく人間教育で「生き方にテーマのある主体的な人間」を育成

 1874年に米国人宣教師ウィリアムズ主教が開いた私塾から発展した立教学院は、今年で創立150周年を迎えました。その中等教育を担う立教池袋中学校・高等学校では、「キリスト教に基づく人間教育」を建学の精神に掲げ、「テーマを持って真理を探求する力」「共に生きる力」の育成に努めています。立教大学との結びつきが強く、小中高大の一貫連携教育を実践しているほか、さまざまな国際プログラムや選択講座などで卒業後につながる「主体的な学び」が得られることも特徴です。

 この日の説明会では、最初に校長の吉野光先生が登壇し、立教池袋中高の学校生活について紹介しました。同校では学校生活の基本に「祈り」を据え、毎日の礼拝と週1コマの聖書の授業を行っています。これは、秩序やマナーを身につけるとともに、自分を見つめ直し、他者への思いやりや感謝の心、倫理観を養う時間です。

 また、毎年5月には、中学では本州で、高校では本州以外の地域でそれぞれ4泊5日の校外学習を実施しています。行き先については、「何を学習するためにどこへ行くのか」を生徒たち自身がじっくりと時間をかけて考えます。コース作成委員によるプレゼンテーションや、自分で調べたことを参考に選択しているそうです。そのほかに同校の母体でもあるアメリカ聖公会のネットワークを活用したアメリカ各地での「アメリカキャンプ」や、イギリスの伝統あるパブリックスクールで2週間を過ごす「英国語学研修」など、国際交流の機会も豊富です。吉野先生は「本校には多様な社会の扉を開く機会があり、みずからの意思で社会に貢献する人材の育成をめざしています。皆さんがさわやかな学校生活を送れるよう、心から願っています」と語りました。

 続いて、具体的な教育内容について教頭の原真也先生から説明がありました。「テーマを持って真理を探求する力」「共に生きる力」という二つの教育目標の下、「生き方にテーマのある主体的な人間の育成」をめざす同校では、互いが協調して力を結集する「リーダーシップ教育」、多様性を尊重できる社会の作り手を育てる「シチズンシップ教育」、世界全体を俯瞰して実社会に貢献する「グローバル教育」を三つの教育の柱として推進し、「生きた英語を使う能力」や「豊かで的確な日本語を使う能力」も磨いていきます。

 同校の特徴的な学びについても詳しく紹介されました。たとえば中学の「選修教科」では、学力補充を目的とした各種講座のほか、英会話・理科演習からスポーツ・楽器演奏まで各学年とも約20の講座があります。いずれも生徒がわからないところ、できないところをフォローし、興味を持ったところはどんどん伸ばしていく内容となっています。このほか、高2から2年間かけて仕上げる「卒業研究論文」では、教員のサポートを受けながら各自が興味のあるテーマを探究し、1万2000字以上の論文にまとめます。完成後は発表の場も設け、表現力も培っています。英語教育については、1クラスを半分に分けた少人数での授業や、週に1度のネイティブスピーカーによる授業で4技能をバランス良く伸ばし、「生きた英語」の習得をめざします。これにより、高校卒業時には英語でディベートできるほどの力が身につくそうです。

 このほか、大学との連携も強化しており、立教大生による中学生対象の夏休み集中補習や、クラブ活動のサポート、立教大学の教員による高1生向けの特別授業などが行われています。さらに、高3には「立教大学特別聴講生制度」があります。大学の講義を受講し、所定の成績を収めると、高校卒業に必要な単位の一部として、また立教大学進学後、卒業に必要な単位の一部として認められます。

イメージ写真 駅周辺はにぎやかな池袋ですが、キャンパスはとても落ち着いた雰囲気です。全天候型の走路を備えた人工芝グラウンド、地下1階・地上4階建てのアリーナ(体育館)、蔵書数約7万冊以上の図書館などがあり、学習環境はとても充実しています

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