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学校説明会レポート
世田谷学園中学校
2024年6月8日(土)
教育理念“Think & Share”の下、慈悲と勇気を備えた“智慧(ちえ)の人”を育成
禅の精神に基づく人間教育を実践する男子進学校として知られる世田谷学園は、安土桃山時代の1592年に開設された曹洞宗吉祥寺の学寮「旃檀林(せんだんりん)」から発展しました。1902年に私立学校令に基づく私立校となり、2026年に創立125年を迎えます。それに向けて、「伝燈(でんとう)」というキャッチコピーの下、グラウンドの人工芝化(2024年に完了)をはじめ、新校舎の建設など、さまざまな記念事業を進めています。
教育理念の“Think & Share”について、校長の山本慈訓先生は「お釈迦様の言われた『天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)』を簡潔な英語で表現したものです。世間ではエゴイズムの象徴のように理解されていることばですが、『この世の中にはわたしだけが持っているかけがえのない価値がある。それと同じように、あなたにもあなただけが持っているかけがえのない価値がある』というのが本当の意味なのです」と説明しました。続けて、「本校では、『天上天下唯我独尊』の教育理念の下、『明日をみつめて、今をひたすらに』『違いを認め合って、思いやりの心を』をモットーに、たった1度の人生において『自立心にあふれ、知性を高めていく“智慧”の人』『喜びを、多くの人と分かち合える“慈悲”の人』『地球的視野に立って、積極的に行動する“勇気”の人』を育てます」と強調しました。
そのための具体的な教育システムとして山本先生が紹介したのが、本科コースと理数コースの2コース制です。同校では、中学からコース別に生徒を募集し、入学者は本科コース(4クラス)か理数コース(1クラス)かのいずれかに所属します。本科コースは3年生(中3)から一般クラスと特進クラスに分かれる一方、理数コースは、中学入学段階で理系学部への進学を決めている生徒のニーズに応えるため、1年生(中1)から4年生(高1)まで、理数系のカリキュラムを充実させています。二つのコースには、「土曜プログラム」(前期)の内容にも違いがあります。土曜プログラムは、通常の授業の枠を超えた体験を重視した学びの時間で、本科コースは小説創作・調理実習・ダンスなどを、理数コースは農業体験・数学検定講座・基礎科学実験などを行います。いずれのコースも実体験を通して知的好奇心を育み、培った力を本格的な探究活動に役立てていきます。また、探究活動では、本科コースは人文科学・社会科学・自然科学から幅広くテーマを設定しますが、理数コースは「サイエンスプロジェクト」と題した、自然科学に特化した課題に取り組みます。
創立125周年記念事業についても詳しい説明がありました。2025年1月に竣工予定の新校舎は、地上4階建てで、技術室や美術室、ICTラボ、グローバルルームなどが入る予定です。既存の校舎にある美術室とコンピュータルームは、自習室として改装されるとのことです。山本先生は「本校は、智慧の人を育てるために慈悲と勇気を育み、同時に生徒の知性という面でも、新校舎を活用して新たな価値と創造性を高めてまいります」と結びました。
最後に、広報部長の宝地戸通至先生が、学校生活について説明しました。説明会などで多く寄せられる「どのような生徒が多いですか?」という質問には、「本当に多様な生徒がいますが、どちらかというと、少しおとなしく、しかし礼儀正しく、優しい子が多いという印象を受けます」と回答しました。4年生(高1)では全員参加の海外研修も実施し、2024年度は本科コースがカナダのビクトリア市とニュージーランドのオークランド市で、理数コースがカナダのトロント市でホームステイを経験します。体育祭では、学年縦割りで組が決まるため、上級生と下級生が活発に交流し、そのなかで自主性や協働性が磨かれるそうです。
これらの教育が実を結び、2024年度は東京大学4名をはじめ、国公立大学に31名が、医学部医学科・歯学部・薬学部には25名が現役合格を果たしています。
2024年にグラウンドが人工芝化されました。2025年には新校舎が完成する予定です
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