受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

頌栄女子学院中学校

2024年6月4日(火)

キリスト教に基づく教育を実践し、高雅な品性や豊かな国際感覚を備えた女性を育てる

 港区白金台の閑静な住宅街にキャンパスを構える頌栄女子学院は、女子教育を実践すべく1884年に設立されたキリスト教の学校です。「神の栄光をほめたたえる」という意味の校名「頌栄」が示すように、キリスト教の教えを基盤とした教育によって、高雅な品性や豊かな国際感覚を養い、社会のために貢献・奉仕できる人材を育てています。この日の説明会の冒頭、創立者の岡見清致氏の曽孫にあたる現在の校長・岡見清明先生は、「今年で創立140周年を迎えた本校が一貫して女子教育を続けてきたのは、『男女は同権であっても同質ではない、女子にふさわしい教育を身につけさせるためには、女子に特化した教育が必要』という信念があるからです。人として、女性として、どのように生きていくのかを考える機会を与えながら、一人ひとりに満足のいく進路を切り開いてもらうことが、わたしたちの使命だと考えております」と述べました。

 同校の一日は毎朝の礼拝から始まり、週1回の聖書の授業は必修となっています。月曜から金曜までの週5日制を採用しているのは、強制ではないものの、日曜日には教会に行くことを推奨しているためです。岡見先生は「ご家庭の宗教は問いませんが、キリスト教を理解する心を持って入学していただきたいと思います」とことばを添えました。

 続いて、教頭の塚田智矢子先生が学校生活の様子について伝えます。最初に紹介したのは「生徒に人気」という制服です。100周年事業の一環として1982年に制定されたもので、「ブレザーとタータンチェックのスカートを日本で初めて採用した」とのことです。紺色のブレザーの胸元には、三位一体を象徴する百合の花がデザインされています。

 クラス対抗で行う合唱コンクール、学年縦割りの5チームで競い合う「Shoei Field Day(運動会)」、研究発表を行う「コ・ラーナーズ・デイ」といった学校行事もたくさんあります。「本校には長野県に二つの宿泊施設があり、中1オリエンテーションキャンプや英会話研修、スキーキャンプ、部活動の合宿などに利用しています。修学旅行も中2では福島県の会津若松、中3では西九州、高2では北海道を設定しており、宿泊行事が多いのも特徴といえます」とのことです。夏休みを利用して、留学生を学校に招き、5日間を英語漬けで過ごす「グローバルスタディーズプログラム」や、カナダ(中3対象)やイギリス(高校生対象)への語学研修など、国際理解を深め、語学力を向上させる取り組みにも注力しています。

 教育課程と進路指導の説明は、副校長の小島和夫先生が担当しました。全校生徒の2割強を帰国生が占める同校では、中1から高1までは、1学年5クラスのうち3クラスが一般生と帰国生の混合クラスとなっています。小島先生は「一般生は4年間で必ず1回は混合クラスに入るように、毎年のクラス替えで配慮しています。帰国生にとっては同じような境遇の友だちが多いので順応しやすく、日常会話も英語でしやすい環境です。一方、一般生にとっても、多様な背景を持つ生徒たちと触れ合うことが刺激となります」と説明します。英語の授業はクラスを2分割して少人数制で行いますが、高1までは週6コマあり、そのうち2コマは外国人教員が担当します。なお、帰国生を対象とした取り出し授業も行っています。高2からは文系・理系に分かれ、さらに高3では一人ひとりの希望進路に応じて選択制の授業が大幅に増えます。

 例年、卒業生の6割程度が国公立大学や早慶上智に現役で進学していますが、一般入試で合格できる学力を養うという方針のため、ほとんどの生徒が一般入試での挑戦を選択しています。小島先生は「早めに進路が決まった生徒も卒業まで学びを続けています。大学合格がゴールではありません。大学入学後やその先を見据えた学力の養成に力を注ぐのが本校の方針なのです」と説明しました。

イメージ写真 文化系・体育系合わせて35のクラブがあり、9割以上の生徒がいずれかに所属しています。世界大会で2位に輝いたことのある模擬国連部のほか、弓道部、理科研究部などが人気とのことです

www.shoei.ed.jp 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ