受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

横浜創英中学校

2024年6月4日(火)

当事者意識を育て、実学的な学びを通じて社会で活躍する準備の場に

 1940年に設立された京浜高等女学校を起源とする横浜創英中学・高等学校は、今年で創立84年となる共学の進学校です。建学の精神に「『考えて行動のできる人』の育成」を掲げる同校では、日々の学習、学校行事、部活動においても「考えて行動する」ことを重視し、建学の精神を具現化することによって「深く思考し、判断し、表現する力」を育成しています。

 説明会では、まず、この4月に校長に就任した本間朋弘先生があいさつに立ちました。本間先生は2020年度からスタートした学校改革に触れ、「従来の教育では、子どもの規範化と標準化を重視し、一斉授業が効率的だとされていました。しかし、これからの子どもたちは、自分の頭で考え、実行する力がなければ、社会で生き残っていくことはできません」と強調します。

 同校が、学校改革で最上位目標に掲げているのは、「生徒の当事者意識を育てながら学びや学校運営を生徒主体に移譲し、実学的な学びによって社会に貢献できる人を育てること」です。また、来年度から新カリキュラムを実施しますが、その柱となるのは「自由選択制の大幅な拡大」と「学年制の柔軟な運用」の二つです。必修科目を最小限に抑えて大半の科目を自由選択制とし、可能な限り教科や学年の枠を取り払って、すべての教科で生徒主体の授業を進めていく方針です。本間先生は「こうした教育改革を通じて、生徒一人ひとりに小さな変容が起こり、やがて社会を大きく変えることを信じています」と結びました。

 続いて、副校長の山本崇雄先生が「学び方改革」と題し、新カリキュラムについて説明しました。これまで同校は、科学的な思考を重視した中高一貫の「サイエンスコース」と、「本科コース」との2コース制でしたが、来年度から本科コースに代わって「グローバルコース」を立ち上げるなど、コースを再編します。学び方も大きく変わり、探究学習の時間には、サイエンスコースの生徒たちはみずから選んだテーマの研究を進めます。一方、グローバルコースでは世界を視野に入れ、言語スキルを手段として、決められたテーマに沿った探究活動に取り組みます。

 また、英語の授業では、教員がテキストを使って教えるクラス、生徒同士が対話をしながら学習するクラス、AI教材などを使って自由に学ぶクラス、メディアセンター(図書館)で、企業と提携して行う質の高い英会話レッスンを受けるクラスなどを設けており、どれを選ぶかは生徒に任されています。デバイスやAIを活用しながら、みずから和訳や発音の学習に取り組む生徒もいるそうです。

 学校運営の特徴としては、ある学年の生徒をその学年の教員全員で指導するチーム担任制を導入していることが挙げられました。進路指導や学習指導などでは、教員一人ひとりの強みを生かすことができます。一方、生徒にとっても、自分が話しやすい教員に相談できるという利点があるそうです。

 最後に、入試広報部長の松岡徹先生から、入試について説明がありました。同校は4科・2科入試のほか、コンピテンシー入試(プレゼンテーション試験・グループワーク試験)、帰国生入試(プレゼンテーション試験)も実施しています。このうちプレゼンテーション試験では、「①これまで継続して自主的に取り組んでいたこと・好きなことで自分の自信につながっていること。②入学後の横浜創英の学校生活で①をどのように生かしていくか」を受験生が自由な方法でプレゼンテーションします。一方、グループワーク試験は、社会課題を表す写真や記事から問題点を理解し、その解決策を考えてチームで発表するというものです。詳細は学校ホームページでご確認ください。

イメージ写真 JR横浜線「大口」駅から徒歩8分、京浜急行「子安」駅から徒歩12分、東急東横線「妙蓮寺」駅から徒歩17分と複数の路線を利用でき、通学しやすいのも魅力です

www.soei.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ