受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

埼玉栄中学校

2024年5月28日(火)

進路指導を改革しながら、手厚い学習指導体制を整え、生徒のやる気を引き出す

 JR埼京線に直通するJR川越線「西大宮」駅より徒歩4分という好立地にキャンパスを構える埼玉栄中学・高等学校は、中高合わせて約3000名の生徒が在籍する大規模校ですが、240名以上の教職員が在籍しており、生徒一人ひとりに目が行き届く環境が整えられています。さらに、「今日学べ(こんにちまなべ)」を校訓に掲げ、生徒が主体的に学び、学習・部活動・行事・社会貢献のすべてに全力で取り組める学校づくりをめざしています。

 説明会の冒頭、校長の町田弦先生は「近年、進路指導において改革を行っています。大学の提携校を増やしたり、系列校と連携したプログラムを開始したりして、進路の選択肢の幅を広げるとともに、学力向上に向けた受験対策を進めています」と説明しました。

 たとえば、同校は日本大学の提携校であることから、同大学へは一定基準を満たすと、指定校推薦枠や提携校推薦枠で進学ができます。2023年度には芝浦工業大学と高大連携事業に関する協定を結び、理系分野の学びを強化させました。また、系列校の栄東中学・高等学校とも連携し、成績上位者を中心とした春期講習やサマーセミナーなどの開講を計画しているとのことです。町田先生は「今年度中に、栄東高校と合同で語学研修を実施する予定です。上位校の生徒たちと切磋琢磨して刺激を受け、視野を広げてほしいと思います」と述べました。

 生徒の希望進路に合わせたサポート体制も万全です。たとえば、専任のスタッフが常駐する「進路指導センター」では、定期考査や模試の成績、相談内容など、生徒の6年分のデータを一元管理し、学習の進め方などについて適切なアドバイスを送っているとのことです。大学の情報もしっかりリサーチし、生徒の進路選択に役立てています。

 続いて、入試広報センター長の森山豊先生から、具体的な教育内容や学校施設について説明がありました。東京ドーム約14個分の広さを誇る同校の敷地には、室内温水プール、陸上競技場、ゴルフ練習場など多様な施設がそろい、「1クラブにつき1施設」の使用が可能になっています。中学は月曜日から金曜日まで完全給食制ですが、1階に食堂やコンビニエンスストアが設置されているため、土曜日には多くの生徒が利用しているとのことでした。

 中学から入学した生徒は当初から「医学クラス」「難関大クラス」「進学クラス」の三つに分かれています。これについて森山先生は「ただし、一度決めた進路を6年間変えられないわけではありません。どのクラスも授業の進度はほぼ同じなので、条件を満たしていれば進級時にクラスの移動も可能です」と強調しました。このうち、医学クラスでは高度な授業を展開するだけでなく、医師に必要な倫理観・使命感・判断力・協調性などを育む体験プログラムや校外学習も充実させています。「今春は医学クラスの3期生が卒業しましたが、医学部医学科の合格者数が過去最高となりました。今後も教育内容を充実させ、進学面でもさらなる成果を出すことをめざしています」と森山先生は力強く語りました。

 同校では、月~金曜日の始業前と放課後の50分間をそれぞれ「0時限」「7時限」とし、希望制の演習授業や補習を実施しています。医学・医療系希望者対象のメディカルプログラムなども充実させています。同校の教員の授業のほかに、外部講師による発展的な授業を開講しているのも特色です。また、高校生対象の演習授業は10時限まで設けられています。さらに、中学校では「0時限」と「1時限」の間に10分間の朝読書が行われ、読解力や思考力を磨いています。

 このほか、「未来の学びプロジェクト」として、デジタル教科書の入った端末を1人に1台配布したり、全教室にプロジェクターを設置したりもしています。このようにICT環境を整え、効率的に授業を進めていることも伝えられました。

イメージ写真 ガラスを多用した開放感あふれる校舎には24時間自動換気システムを配備。生徒は埼玉県内だけでなく、首都圏のさまざまな地域から通学しています

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