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学校説明会レポート
新渡戸文化中学校
2024年5月25日(土)
自分の未来、そして社会とつながる探究型の学びを生徒主体で深める
新渡戸文化学園は、子ども園から短期大学までを擁する男女共学の総合学園です。その始まりは、教育者・農学者であり、国際連盟の事務次長も務めた新渡戸稲造博士と、その弟子の森本厚吉博士らが、1927年に創立した女子文化高等学院です。2010年に現校名に変更し、2014年に中学を、2017年に高校を共学化するなど、学校改革を進めています。2020年度には経済産業省の「未来の教室」モデル校に選ばれたほか、外部事業者と連携しての教材開発にも取り組んでいます。
オンライン説明会の冒頭、校長の小倉良之先生からは、学校教育が置かれている現状と、同校の探究型教育について説明がありました。文部科学省からは教育改革の方向性として「子ども主体の学び」「学年を超える学び」「教室以外にも学びの場」「教科横断型の探究」などが示されていること、大学入試においても総合型選抜の割合が増えるなど、変化の波が押し寄せていることは周知の事実ですが、これらに、同校は先駆的に対応してきたと校長先生は話します。そして、著しい進歩を見せるAIと人間を比較し、「AIの知能は『無知を既知で満たす』という方向性です。それに対して、人間の知性は『既知をもって未知に向かう』ものだと思います」と述べました。つまり、未知の状況に対応する力こそが人間ならではの能力だというわけです。それを踏まえ、「これからの教育に必要なのは、しっかりと知識・教養を身につけながら、既知をもって未知に向かい、新たな価値を創出する力を養うことです。本校は探究によってその力を育成していると自負しております。ぜひ学園に足を運んでいただいて、この学園に吹く風を感じていただければと思います」と力説し、あいさつを結びました。
続いて登壇したブランディングデザインチーフの奥津憲人先生からは、教育内容について丁寧な説明がありました。同校の教育を特徴づけるのが、「3Cカリキュラム」です。これは、基礎学力を養う教科学習である“Core Learning”、広い視野や探究心を育む教科横断型学習“Cross Curriculum”、社会課題の解決に挑むチャレンジ設定学習“Challenge Based Learning”の三つの要素から成ります。生徒一人ひとりの興味・関心から学びを展開し、社会とつながる探究型の学習を行うというものです。
学期ごとに、まず「なぜこの内容を学ぶのか」と学習内容を自分の未来に結び付けて考える期間を設けてから学習を進め、こまめに単元テストや小テストを行いながら基礎学力の定着を図ります。学期末のテストは、学んだ内容が自分の未来や社会とどうつながるかをさまざまな方法で表現するアウトプット型で実施します。
また、教科横断型学習やチャレンジ設定学習を実現するために、毎週水曜日は終日、探究活動を行います。中学生の間は、「ラボ」という自分の好きなテーマのゼミを選び、グループで学習を進めます。高校生になると、一人ひとりが設定したテーマに沿って、研究を深めていきます。
こうした教育方針を反映して、修学旅行はテーマ別に設定されたコースに学年横断型で参加する「スタディツアー」という形式になっています。中学では4コースが設定されていますが、高校ではさらにその数が増え、動物保護や山村の振興、海外語学研修など、さまざまな取り組みのなかから、自分自身が関心を持ったものに参加します。そして、進路選択の際は、生徒一人ひとりの興味・関心を尊重し、満足度の高い決定ができるようサポートしているとのことです。
入試制度についても説明がありました。同校では、受験生の多様な能力を評価するため、筆記試験とグループワークを用いた入試のほか、「好きなこと入試」という、自分が取り組んでいることについてプレゼンテーションを行うタイプの入試も実施しています。「好きなこと入試」は対面形式またはオンライン形式のいずれかを選べます。奥津先生は「グループワークや発表に苦手意識を持つ受験生もいますが、本校は入試を通して生徒が成長する姿も大切にしています。苦手でもチャレンジする気持ちがあれば大丈夫です」とエールを送り、説明会を締めくくりました。
教科横断型学習などに活用される自由なものづくり施設「VIVISTOP NITOBE」、プレゼンテーション、ライブなどの場として活用される視聴覚室の「NITOBE THEATER」など、生徒が創造力や表現力を発揮できる施設が整っています
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