受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

海城中学校

2024年5月21日(火)

新しい「人間力」と「学力」を備えた
「新しい紳士」の育成をめざす

 JR山手線の「新大久保」や中央・総武線の「大久保」のほか、東京メトロ副都心線の「西早稲田」など、さまざまな路線・駅が通学に利用できる好立地に、1万3000㎡もの広々としたキャンパスを有する海城中学高等学校は、創立133年の男子伝統校です。

 説明会の冒頭、あいさつに立った校長の大迫弘和先生は、詩人でもあり、文部科学省の国際バカロレア日本アドバイザリー委員会委員や、東京都英語教育戦略会議委員などを歴任した、国際バカロレア教育の第一人者でもあります。そんな大迫先生が昨年4月に海城の校長に就任した理由は、「海城の教育は、探究学習と全人教育を本質とする国際バカロレアと高い親和性があると考えたから」です。そして、東日本大震災後にまとめた自身の詩集『がっこう』を朗読し、「わたしは『ほんとうのがっこう』とは何かを模索し続けてきました。本校の生徒・教員・職員とともに『希望のがっこう』をちょっとずつつくっている毎日です」と語りました。

 続いて、海城教育研究所所長の中田大成先生が、「新しい人間力」「新しい学力」をバランスよく兼ね備えた「新しい紳士」の育成をめざして、30年以上前から先駆的に取り組んできた同校の探究学習について詳しく紹介しました。

 社会科では、何らかのテーマについて現場を取材し、自分で考えたことを論文にまとめて、みんなの前で発表します。また、数学科の幾何や理科の実験では、「なぜそうなるのか」という自然科学的な論理的思考力や批判的能力を徹底的に鍛えています。さらに、プロジェクトアドベンチャーやドラマエデュケーションなどの体験学習、海城学術顧問による講演会、海外研修などを通して、「世界」に視野を広げています。中田先生は「このように『状況に応じて即興で対応する力』『ストーリーを紡いでいく力』を大切にする学びを通じて、“海城知”を育んでいます」と語りました。

 大学合格実績の紹介もありました。今春は東京大学に現役のみで42名、既卒者を含めると49名が合格したとのことです。これまでの卒業生のなかには、東京大学や東北大学の総長賞の受賞者、またハーバード大学では日本をテーマに執筆された論文のなかから最も優れた作品に授与される野間・ライシャワー賞の受賞者もいるそうです。

ホスピタリティーが高く
知的好奇心が旺盛な海城生

 最後に、入試広報部の塩田顕二郎先生が学校生活や入試について説明しました。同校の卒業生でもある塩田先生は、最近の海城生について、「人懐っこくてホスピタリティーが高く、知的好奇心が旺盛なところは昔と変わりません。いかに『沼』にはめてあげるかが男子校の使命であり、われわれ教員にとっても、そこがおもしろいところです」と語りました。1学年8クラス編成で、各クラスの人数は40~42名ですが、そのなかには、さまざまな国や地域での生活・学習体験を持つ帰国生が3名前後いて、一緒に学び合います。高1までは毎年クラス替えがあり、高2・3は文系・理系に分かれます。クラブには中学生の約98%、高校生の約70%が加入しており、兼部する生徒も多いそうです。

 入試については、「4科目をバランスよく学習してください。過去問はホームページからダウンロードできます。65点を目安に演習を行いましょう」というアドバイスがありました。塩田先生は「最も見ていただきたいのは、海城生です。オープンキャンパスや海城祭(文化祭)に、ぜひ足を運んでください」と語り、説明会を締めくくりました。

イメージ写真 「建物自体を教材に」というコンセプトのもと、2021年に完成したScience Center。生徒たちは9室ある実験室をフル活用し、学びを深めています

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