受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

専修大学松戸中学校

2024年5月17日(金)

定評のある「国際理解教育」と「理数教育」で社会に貢献できる知性豊かな人材を育成

 創立144年の歴史と伝統を刻む専修大学の付属校として1959年に創立された松戸高校を基盤に、2000年に中学校が開校しました。専修大学に推薦で進むことも可能ですが、卒業生の9割はほかの進路を選ぶ進学校として知られています。

 この日の説明会では、校長の五味光先生があいさつに立ちました。同校では、建学の精神である「報恩奉仕」「質実剛健」「誠実力行」をより具体化し、「社会に貢献できる知性豊かな人材の育成」を教育ビジョンとして掲げています。生徒たちには「社会に必要とされ、他者にとって不可欠な、頼られる存在になってほしい」と伝えながら、日々の教育活動を行っているそうです。

 専修大学に進学する卒業生は例年1割程度という同校ですが、2024年春の大学合格状況を見ると、京都大学、北海道大学に現役合格者を出すなど、すばらしい結果を残しています。しかし、五味先生は「中高6年間を学習活動だけで終わらせてほしくはありません。中学開校時から続くネブラスカ修学旅行をはじめ、さまざまな学校行事や、放課後に開講される英語・数学の講座は原則として全員参加です。各種検定試験への挑戦も推奨しています」と説明しました。また、同校が注力している英語については「受験で終わることがない、その先を見据えた英語力を身につけてもらいたいと強く願っています」と結びました。

 続いて、教育内容について教頭の中村吉伸先生が説明しました。最初の話題は、2024年度の主な学校行事についてです。中1は入学直後に山梨県清里で2泊3日のオリエンテーション合宿に参加し、自然体験やスポーツ活動、クラス活動などを通して仲間との絆を深めたとのことです。中3は4月に鎌倉で班別行動を、中2は5月初旬に田植えを体験するなど、フィールドワークも行われました。また、5月中旬には、昨年リニューアルした人工芝グラウンドで中学の体育大会が開催され、大いに盛り上がったそうです。

 同校では、海外大学への進学を視野に入れる生徒が年々増加していることを受けて、今年度からアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアの100校が加盟している海外大学進学協定校推薦制度(UPAS)の加盟校となったことも報告されました。中村先生は「生徒の選択肢がより広がるよう、積極的に取り組んでいます」と述べました。

 中高一貫生に対しては、6年間を「基礎期」(中1・2)、「充実期」(中3・高1)、「発展期」(高2・3)に分けて先取り学習が行われています。「基礎期」には生徒全員が同じ内容を学びますが、中2の数学・英語は習熟度別クラスとなっています。「充実期」に入る中3からは「類型制システム」を採用し、選抜クラスのⅠ類と、一般クラスのⅡ類とに分かれます。「発展期」になると、さらに理系・文系に分かれ、高3の授業は受験に向けた演習が中心になります。Ⅱ類の生徒は学校推薦型選抜(指定校制)の利用が可能ですが、Ⅰ類の生徒は自分の力で志望校への道を切り開いていくことになります。

 開校以来、グローバル社会に対応できる英語教育に力を注ぐ同校では、週に7コマの通常授業と、週1回1コマの放課後講座を開講しています。通常授業のうち5コマでは『NEW TREASURE』を使用して「読む」「書く」力を養成します。残りの2コマは、英語教育専用校舎「アンビションホール」にて行い、ネイティブ教員と日本人教員とのチームティーチングによる少人数制の英会話の授業で、「聞く」「話す」力を身につけさせます。また、中3の9月からは家庭学習でオンライン英会話のレッスンを受けます。6月に実施されるネブラスカ修学旅行から帰国した後も引き続き、英語力を伸ばしていける環境を整えているのです。

 2025年度は、2月3日の第3回入試に新形態が導入されます。従来のような4教科入試(国語・算数・社会・理科)の「入試A」と、2教科入試(国語・算数)に自己アピール・プレゼンテーションと面接を加えた「入試B」のいずれかを選択できるそうです。詳細は学校ホームページでご確認ください。

イメージ写真 同校の英語教育の発信基地となるアンビションホール。教員が読み上げた英単語が書いてあるカードを取る速さを競うゲームなどを授業に取り入れ、楽しく英語を学べます

www.senshu-u-matsudo.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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