受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

女子聖学院中学校

2024年5月17日(金)

充実した英語教育プログラムとアウトプットを重視した学びで表現力を磨く

 女子聖学院は、米国プロテスタント教会の女性宣教師バーサ・F・クローソンによって1905年に創立されたミッションスクールです。「一人ひとりが神からかけがえのない賜物(たまもの)を与えられている」という確信に基づき、生徒自身がその賜物を発見して、活かすための教育を実践しています。

 あいさつに立った校長の安藤守先生は、「神を仰ぎ 人に仕う(Love God and Serve His People)」という建学の精神に触れ、「女子聖学院は自由な校風のなかで、一人ひとりを大切に育てる学校です。キリスト教教育を通じて、生徒たちは個と他者を大切にすることを学んでいきます」と話しました。

 そんな同校の一日はチャペルでの礼拝から始まります。聖書の精神に基づく毎日の生活を通じて、「一人ひとりがかけがえのない存在であること」「自分は愛された存在であること」を知り、自己肯定感を高めていきます。また、ボランティア活動も大切にしており、7月に実施される夏期ボランティア活動(希望制)では、老人ホームや知的障がいを持つ方々の施設などを訪問するほか、記念祭(文化祭)の収益はACEF(アジアキリスト教教育基金)に全額寄付されます。

 次に、教頭の塚原隆行先生が、教育内容について詳しく紹介しました。同校の学びは、神を仰ぎ人に仕う「キリスト教教育」、自分を育む「Global Arts教育」、自分を活かす「Experiential Learning」の三つを柱としています。塚原先生は「教科教育を支えるようなかたちで、国際理解教育、総合探究、高大連携プログラム、放課後学習プログラム、系列の聖学院中高との連携プログラムなどを駆使し、6年間でしっかりと学力を培っていきます」と話しました。高大連携協定を締結した東京女子大学へは指定校推薦枠が大幅に増え、同大学の教授による出張講義も実施されるようになりました。また、芝浦工業大学ではサマーインターンシップが行われているとのことです。

 創立当初から英語教育にも力を注いでおり、国際社会に向けての発信力を養うことを重視しています。同校には5名のネイティブ教員が在籍しており、週1コマの英会話の授業は、1クラスを2分割して、ネイティブ教員2名によるダブルティーチングで行われています。ネイティブ教員は、朝のホームルーム、礼拝、放課後、部活動、行事などでも生徒たちに接するため、学校生活全般を通して「読む・聞く・話す・書く」の4技能がバランスよく鍛えられます。

 自分の考えを英語で発信する機会も豊富に設けており、暗唱やスピーチコンテストも行っています。塚原先生は「日々の練習の積み重ねによって自然な発音ができるようにするとともに、自分のことばとして相手に伝える表現力を養っていきます」と説明しました。このほか、さまざまな国から集まった講師による国内留学プログラム「Global 3day Program(中1~高2)」、英語エッセイを書く「Academic Writing(高2・3の上級者対象)」などがあります。立教英国学院への留学や、アメリカやオーストラリアでの中期・短期留学などの海外プログラムも充実しており、加えて今年度は36名の生徒がロンドンやオーストラリアで学ぶそうです。

 学校最大の行事としては国立代々木競技場第一体育館で行われる運動会が挙げられました。塚原先生は「競技では日ごろの練習の成果を発揮します。汗を流し、声を掛け合い、呼吸を整えなければ勝てない団体競技がちりばめられた運動会は、仲間との絆を強くする場で、一人ひとりの人格形成にもつながっているのです」と強調しました。

イメージ写真 南向きの明るいホームルーム教室が並ぶ本館、3階建ての体育館、パイプオルガンを備えたチャペルなど、施設も充実しています

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