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学校説明会レポート
慶應義塾中等部
2023年10月16日(月)
自主性や自立心、個性を尊重し
みずから行動できる人間力を育む
1858年、福澤諭吉が江戸に開いた蘭学塾を起源とする慶應義塾。中等部は、その長い歴史を持つ慶應義塾のなかでは比較的新しく、戦後間もない1947年に開校しました。「自ら考え、自ら判断し、自ら行動して、その結果に責任を持てる、自立した個人を育む」という基本理念を掲げ、伸びやかで厚みのある教育を実践しています。
SAPIX代々木ホールで行われた説明会は、サピックス教育情報センター本部長の広野雅明先生による入試解説からスタートしました。広野先生は、さまざまなデータから同校の中学入試を振り返ると「極端に難しい問題はないものの、試験時間が短く、問題量も少なくありません。スピードと正確性を身につけて、試験に臨んでください」とアドバイスしました。
続いて、登壇した部長の井上逸兵先生は、最初に「慶應義塾には小学校から高校まで、さまざまな学校がありますが、すべて付属校ではなく『一貫教育校』と呼ばれています。どの学校も慶應の伝統を受け継いでいますが、それぞれの創立の経緯や特徴が異なるからです」と説明しました。その一つである中等部の特徴は、「共学校であることと、コミュニケーション力が高い人が多いこと」と井上先生は言います。「学業」「校友会(部活動)」「学校行事」を教育の三本柱に掲げ、どの活動においても人とのかかわりや、人を通しての体験を大切にしていますが、こうした教育がコミュニケーション力の向上に影響しているそうです。
生徒は教員を「さん」づけで呼び
同じ目線でコミュニケーション
自由を尊重した校風で「校則がない」ことも特徴です。井上先生は「通学時の服装は自由ですが、規律はあります。たとえば、襟のないTシャツなどで登校した生徒には頭ごなしに注意せず、『その服装は授業を受けるのにふさわしいかな』などと語り掛け、生徒自身に考えさせています」と話しました。なお、式典がある日は基準服(制服)を着用します。
また、生徒と教員との垣根をなくす目的から、生徒は教員を「さん」づけで呼びます。教室にも生徒を見下ろすような教壇はありません。井上先生は「誰もが同じ目線で話せるようにという配慮です。教員室にも、試験前を除いて生徒は自由に出入りできます。教員が生徒一人ひとりにかける時間も長く、同じ目線でのコミュニケーションを大切にしようという校風があるからこそ、お互いを尊重し、信頼関係も生まれるのです」と語りました。
国際交流にも力を注いでいます。イギリスの学生と同じ部屋に宿泊する8泊9日の夏期英国研修プログラム(中3対象)や、中等部生の自宅に海外留学生がホームステイをする「ホカリル校生徒受け入れプログラム」など、さまざまなプログラムが紹介されました。
最後に井上先生は、「幼稚舎からの内部進学生と中等部からの入学生は、すぐになじむので安心してください。また、本校は慶應義塾大学三田キャンパスに隣接しているため、留学生との交流もしやすい環境にあります。まずは本校の展覧会(文化祭)に足を運んでみてください」と参加者にメッセージを送りました。
国内では、女子は全員が慶應義塾女子高校に進学します。男子の進学先は慶應義塾高校、慶應義塾志木高校から選択可能です
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