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学校説明会レポート
お茶の水女子大学附属中学校
2023年10月13日(金)
伝統の探究学習を通して
自主自律の精神を育てる国立校
お茶の水女子大学附属中学校は、東京女子高等師範学校附属高等女学校を起源とする国立中学校です。1947年の学制改革により分離独立し、男女共学の新制中学校として発足しました。「自主自律の精神をもち、広い視野に立って行動する生徒を育成する」という教育目標の下、「科学的・論理的思考力」「グローバルな視座」「あたたかく深い人間力」の養成を三つの柱として、豊かな人間性を培うことをめざしています。
SAPIX代々木ホールで開催された説明会では、副校長の宗我部義則先生が教育内容について紹介しました。同校では「自主自律」を導くため、40年以上も前から「自主研究」を実践しています。これは、最長1年半かけて一つの課題を探究するプログラムで、生徒はみずから設定したテーマに沿って研究に取り組み、中3ではその成果を大学講堂での発表会や生徒祭(文化祭)で披露したり、研究集録にまとめたりします。宗我部先生は「特徴的なのは、大学教員からも指導が受けられる点です。生徒は好きなことに没頭し、専門性も深められます」と述べました。
また、生徒会活動にも「自主自律」が見られます。この10月からは、在校生の要望を集めた生徒会が、多様性を尊重するため、制服へのスラックスの導入を実現させました。体育大会や生徒祭などの学校行事の運営も生徒主体で行われています。
大学との連携プログラムなど
専門的な学びの機会が豊富
専門性の高い教員が行う授業も同校の魅力です。宗我部先生は「昔から教員に教科書の執筆者が多く、学習指導要領の改訂にも携わっています。新しい取り組みにも積極的で、最先端の教育を受けられます」とアピールしました。
大学との連携による専門的な学びの機会が豊富なことも、附属校の大きなメリットです。お茶の水女子大学で学ぶ留学生に日本の文化を紹介するサマープログラム、大学の研究の現場に触れる研究室訪問、附属幼稚園と連携した家庭科の授業、広大な大学キャンパスで行われる自然観察会やフィールドワークなど、さまざまな取り組みがあります。
帰国生教育にも長い伝統があります。中1の1年間は帰国生のみの「帰国生徒教育学級」が構成され、特別な指導を受けます。国語や英語の習熟度別授業やチームティーチングなどを行い、帰国生と一般生との活動や日々の交流のなかで、多様な価値観を受け入れる心を育てています。
高校は女子校のため、男子は全員が外部の高校に進学します。女子は例年7~8割が連絡進学制度を利用して、お茶の水女子大学附属高等学校に入学しているそうです。
最後に、宗我部先生から入試に関するアドバイスがありました。時事問題や生活のなかの事象を題材にした問題が多いため、「今、世の中で起こっていることを日常的に親子で話題にし、一緒に考え、お子さんの『なぜ』という思いを引き出してあげてください」とのことです。
ナーサリー(学内保育所)から大学・大学院までが集う、緑豊かなキャンパス。中学校の男女比は1対2ですが、附属高校へは女子のみが進学します
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