受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

田園調布学園中等部

2023年10月11日(水)

「捨我精進」の精神で
自分と向き合う6年間

 田園調布学園中等部・高等部は、1926年創立の調布女学校から発展した女子進学校です。創立以来、主体的に人生を切り開いていく、しなやかな女性の育成をめざしています。

 説明会の冒頭、校長の清水豊先生は建学の精神の「捨我精進」について次のように説明しました。「この『捨我』とは、現在の自分を超えることを意味しています。そのためには『自分』を見つめ、向き合うことが重要です。本校で過ごす6年間は、自分が何者かを問い続ける期間といえます」

 同校では、「自分にとって当たり前のことが当たり前ではない」ということを理解するためのきっかけとして国際交流を重視しています。希望制の海外研修には、カナダまたはオーストラリアでのホームステイ(中3)、ニュージーランドでのターム留学(高1・2)があります。今後は、アジアの若者との交流を積極的に行う計画です。具体的には、これまで中3の学習体験旅行では関西方面に行っていましたが、来年度からは関西、韓国、台湾の選択制に変更されます。さらに、3月には探究活動の一環としてバリ島で希望制の環境に関する探究活動(高1)や、夏にはフィリピンへの研修旅行(高1・2)も計画しています。清水先生は、「中高時代に海外を経験する意義は非常に大きいので、豊富な選択肢を準備しておくことが重要だと考えています。異文化に触れることで自分を見つめるようになってほしい」と結びました。

進路選択につながる「土曜プログラム」
生徒の可能性を広げるきっかけに

 次に、入試広報部長の細野智之先生から、学習面の特色について説明がありました。同校が特に熱心に取り組んでいるのが、探究活動と教科横断型授業です。探究活動では、中学3年間でデザイン思考を用いてさまざまな課題解決学習に取り組みます。身近な困りごとや企業の課題をテーマにし、社会とかかわりながら徹底的に課題解決のスキルを学んでいきます。また、高等部は生徒自身がテーマを決める「BOTTOプロジェクト」を行います。野球が好きな高2の生徒は、プロ野球選手の誕生日データを統計的に分析して発表を行い、外部コンテストで賞も受賞しました。

 教科横断型授業では、6学年で30~40種類のテーマを用意しています。たとえば、中1の数学と歴史の授業では、武田家の家紋などをコンパスと定規で再現します。細野先生は「意外な組み合わせから学びの本質にアプローチすることで、知的好奇心を刺激する授業を心がけています」と話し、今後もさらに新しい組み合わせを考案しながら規模を拡大していく予定であることを付け加えました。

 また、通常授業ではカバーできない発展的な内容や教養に触れる機会として、約170種類の講座から自由に選択・受講できる土曜プログラムも開講しています。細野先生は、プログラミング講座の受講をきっかけに工学部に進んだ卒業生がいるなど、土曜プログラムが進路選択に影響を与えた例をいくつか挙げると、「まずは何事も“やってみる”ことが大切です。自分自身の可能性を探り、意外な才能を発見できる良いチャンスなので、積極的に取り組んでほしいと思います」と締めくくりました。

イメージ写真 約3万6000冊の蔵書を誇る図書館は、探究活動や教科横断型授業の拠点として多くの生徒が利用しています

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