受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

穎明館中学校

2023年10月30日(月)

学校改革「EMK未来プロジェクト」を推進し、国際社会に羽ばたく真のリーダーを育てる

 八王子市南部の緑豊かな環境にキャンパスを構える穎明館高等学校が開校したのは1985年のことです。その2年後に中学が開校し、2007年には高校募集を停止して完全中高一貫校となりました。2019年からは、生徒の目標達成と自己実現をかなえる学校改革「EMK未来プロジェクト」が始動しました。この「EMK」とは、校名の略称であると同時に、Experience(経験)、Morality(道徳)、Knowledge(知識)の頭文字であり、「国際社会に羽ばたく真のリーダーの育成」という教育理念を支える指針ともなっています。

 この日の説明会の冒頭、登壇した校長の橋本好広先生は、2023年度の印象的なトピックとして、新型コロナが落ち着き、4年ぶりに開催した「USA・カナダ体験学習」を挙げました。これは高1生全員が参加する2週間弱のプログラムで、30年以上の歴史があります。アメリカではワシントン大学で少人数制の英会話授業やアクティビティに参加し、カナダでは3日間のホームステイを体験します。橋本先生は「本校では海外研修や宿泊行事のほか、文化祭や体育祭などの学校行事やクラブ活動などを通じて、生徒の主体性や協働性を育んでいます。学習とこれらの活動とを両立させながら、非認知能力、特に最後までやり抜く力も身につけてほしいと考えています」とあいさつしました。

 続いて、学校改革「EMK未来プロジェクト」に関する説明がありました。橋本先生によると、このプロジェクトの目的は、「高い学力」と「成熟した人間力」の形成にあり、「アドバンスト・スタンダードクラス」「EMK未来サポート」「ICT教育の充実化」「EMK探究の整備」「グローバル教育の活性化」の五つの柱から成っています。「本校は『面倒見がいい学校』と評価されていますが、学力形成の面では『ていねいに鍛える』ことを大切にしています」と述べました。

 そして、入試広報部長の庭山真理子先生が「EMK未来プロジェクト」についていくつか詳しく紹介しました。一つ目の「アドバンスト・スタンダードクラス」については、同校では中3から、基礎を固めるスタンダードクラス(4クラス)と、発展的な内容を学ぶアドバンストクラス(1クラス)とに分かれ、学習到達度に合わせた内容とスピードで授業が進められます。その後、高1からは教科ごとに習熟度別の少人数クラスに分かれて学ぶ「グレード別授業」が導入されています。その効果について庭山先生は、「クラスは1年ごとの入れ替えですが、各教科のグレードはほぼ学期ごとに入れ替わります。一人ひとりの学習状況に合わせた授業展開が、生徒のモチベーションを上げることにつながっています」と語りました。

 二つ目の「EMK未来サポート」は、全席ブース型の自習スペース「EMK未来館」を使った、学校完結型の学習支援システムです。同校では6年間を通して系統的なキャリア教育を行うと同時に、入学時の実力を最大限に伸ばすため、カリキュラムに工夫を凝らしています。中学の内容を中2終了までに学び終える先取り学習を実施すると同時に、1・2年次はこの「EMK未来サポート」を必須としているのです。庭山先生は「常駐している専門スタッフに、学習計画の相談や質問ができます。また、授業担当者とスタッフが相談して作った小テストを授業後に受けます。基本標準問題と応用問題から生徒自身がプリントを選択できます。これらは、入学後2年間で自学自習の姿勢を身につけることが目的です。放課後だけではなく、朝の始業前と昼休みにも利用できます」と話しました。

 最後に、2023年度の大学合格実績について、「卒業生172名のうちのべ10名が医学部医学科に、のべ33名が薬学部に合格するなど医療系への合格・進学者が多い年でした」と評しました。生徒の希望を第一に考え、自信と誇りを胸に卒業できるような進路指導の成果といえるでしょう。

イメージ写真 JR中央線・京王電鉄高尾線「高尾」駅から直行便バスで約10分、JR横浜線・相模線、京王電鉄相模原線「橋本」駅からはスクールバスで約25分。4万坪の広大な敷地に充実した施設がそろいます

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