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学校説明会レポート
東京都立三鷹中等教育学校
2023年10月19日(木)
人間性重視の教育で社会的リーダーに必要な力を培う
東京都立三鷹中等教育学校は、2010年に三鷹高等学校を改組して中高一貫校として開校しました。「思いやり・人間愛をもった社会的リーダーの育成」を基本理念に掲げる同校は、他者を思いやる心を持って、人間性豊かな社会を構築するリーダーの育成をめざしています。この日のオンライン説明会で統括校長の小林正人先生は、「本校の特徴は、人間性に焦点を当てて教育を行っている点にあります。変化が激しく複雑で、先行きが不透明な、VUCA(Volatility=変動性、Uncertainty=不確実性、Complexity=複雑性、Ambiguity=曖昧性)の時代においては、まず人間性という器を大きくして土台を固めたうえで、課題発見力・課題解決力・多様性・主体性といったさまざまな能力を育てていくことが重要だと考えているからです。この人間性を育成するために、本校では、学校行事・部活動・あいさつなどをとても大切にしています」と話しました。
社会で求められる力のうち、知識・技能・思考力・判断力・表現力については、各教科の学習でしっかりと身につけます。そのうえで、多様性を尊重する心、主体性、課題発見力、課題解決力については、国際理解教育や探究学習で身につけ、これらの学びをICT(情報コミュニケーション技術)の利用・活用で支えていく方針です。
国際理解教育の土台となる英語教育については、5人の外国人講師が指導に当たり、習熟度別の少人数での授業を通じて、「読む・書く・話す・聴く・やりとりや発表をする」の5技能を充実させていきます。これにより、中学終了時には約75%の生徒が英検®準2級を取得しています。また、実践的な英語力を育成するため、英語を使う機会を数多く設けています。異文化に触れる海外研修としては、5年生(高2)全員が参加する台湾での海外修学旅行のほか、希望者対象の海外ボランティア研修、次世代リーダー育成道場への参加などがあります。
探究学習では、6年間を見通し、1・2年生(中1・2)をファーストステージ、3・4年生(中3・高1)をセカンドステージ、5・6年生(高2・3)をサードステージと位置づけています。「地域の課題発見と解決」「現代的な諸課題」「自らの生き方、社会への在り方」などと段階的にテーマを発展させながら、研究に取り組みます。「サードステージになると、大学生も顔負けの論文を書く生徒もいます」と小林先生は話します。
ICTの活用に関しては、東京都教育委員会からICTパイロット校の指定を受け、2016年から1人1台の端末による学習を実現してきました。日々の学習や行事に利用するほか、TOKYO教育DX推進校として、デジタル教科書の活用法などを研究しています。また、特色ある取り組みとして、表現力やコミュニケーション力の基礎を養うための「文化科学」、データに基づいて自分の考えをまとめて発表する「自然科学」などの時間もあります。
卒業後の進路を見ると、2023年3月の卒業生155名のうち51名が国公立大学に合格しました。このうち5名が東京大学への合格でした。私立大学では早慶上理にのべ134名、GMARCHにのべ232名が合格しています。同校では、「自分が将来何になりたいのか」という思いを早期からしっかり持ちながら学習に励めるよう、1年生で職場見学、2年生で職場体験、3年生で大学訪問を行います。また、卒業生が毎日、自習室を訪れ、在校生の質問・相談に対応しているそうです。この実績は、そうした取り組みの成果ともいえるでしょう。
最後に、小林先生は「本校は、教育理念をしっかり実現できるよう全力を傾けてまい進してまいります。受験生と保護者の皆さんは、本番までもう少しです。ぜひがんばってください。本校では授業公開を年間18回実施していますので、4・5年生の皆さんには、ぜひお越しいただき、生徒たちの日常の様子をご覧ください」と説明会を締めくくりました。
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
1~3年生(中1~3)には校内の厨房で手作りされた給食が提供されています。地元の食材を使用した家庭的な味で、生徒には「おいしい」と好評だそうです
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