受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

千代田国際中学校

2023年10月14日(土)

型を覚え、型を使いこなし、型を破る「守破離」の学びで、果敢に挑戦する人物へと成長

 千代田国際中学校の前身は、仏教に基づく女子教育を行う場として1888年に開校した女子文芸学舎から発展した、千代田女学園中学校・高等学校です。2016年に武蔵野大学と法人合併し、高校は2018年に武蔵野大学附属千代田高等学院に改称・共学化されました。このとき国際バカロレアの認定校にもなっています。中学校は、2016年以降は生徒募集を停止していましたが、2022年度より共学の千代田国際中学校として募集を再開しました。

 説明会であいさつに立った校長の日野田直彦先生は、かつては大阪府立箕面高等学校、そして武蔵野大学中学校・高等学校で校長として学校改革を手がけてきた経歴の持ち主です。世界の国々の人口や経済力の予測データを示しながら、「日本を取り巻く状況は大きな転換点を迎えていて、それを乗り越えていける人を育てるには、従来型の教育では対応できなくなりつつあります。これからの教育で最も大事なのは、一人ひとりが自分はこの世界で何を成し遂げたいのか考え、パーパス(志)に気づけるようになることだと考えています」と、参加者に語りかけました。そして、失敗を恐れずあらゆることに挑戦する力をつけてほしいという願いから、日々の学校生活についても生徒からの提案を正面から受け止め、その実現を巡って真剣に対話しているそうです。

 ただし、武道や茶道で使われる「守破離」ということばにあるように、型を破って新しいことに挑戦するには、型を覚え、型を使いこなすことが大事です。こうした点を踏まえた教育方針の下、午前中はSBL(Subject Based Learning)として各教科の知識や技能をしっかりと学びます。たとえば英語では、高3までにTOEFLのスコア60以上の獲得をめざします。午後はPBL(Project Based Learning)として、対話やアウトプットを重視したプロジェクトに取り組みます。また、土曜日はLAP(Liberal Arts Project)として、校外学習や、外部の専門家などによる講義を通じて本物に触れる機会を設けています。「PBLやLAPの時間があるからこそ、SBLで公式などを学ぶ意義が実感でき、意欲向上にもつながっています」と日野田先生は話します。

 大学進学については、中学での募集を再開したばかりであるため、まだ実績が出てはいませんが、日野田先生が中高学園長を務める系列校の武蔵野大学中学校・高等学校は国内外の大学への進学実績を伸ばしています。その内容が紹介され、「本校でもしっかりサポートしますからご安心ください」というメッセージが送られました。

 続いて、併設の武蔵野大学附属千代田高等学院の新校長である木村健太先生が、「これまでの一般的な学習指導は、苦手科目の対策を重視するあまり、生徒にとってつらいものになりがちでした。そうではなく、まずは得意なこと、好きなことを深く掘り下げ、そこから他の科目へと興味を広げていくような、楽しい学びを展開していきたいと考えています」と抱負を語りました。

 最後に、入試について説明がありました。教科型は、2月1日午前・午後、2日午前・午後、4日午後の計5回実施されます。日程により、4科または2科(算数・国語)、選択2科(算数は必須。もう1科目は国語・理科・英語から自由選択)など内容が異なるため、受験生の事情に合わせて選べます。適性検査型入試は1日午前に、思考力型入試は5日午後に行われます。なお、今回から教科型入試は1科目あたりの試験時間が50分から45分に短縮されるので注意が必要です。入試問題は、基本レベル6割、標準レベル3割、応用レベル1割をめざして作問されています。入試広報部長の立原寿亮先生は「守破離の“守”に相当する基礎をしっかり身につけておいてください。それができていれば、中高6年間で伸びます」と受験生にアドバイスを送り、説明会を締めくくりました。

イメージ写真 最寄り駅は東京メトロ有楽町線「麴町」駅と東京メトロ半蔵門線「半蔵門」駅ですが、ほかに「市ヶ谷」駅と「四ツ谷」駅も徒歩圏です。周囲に多数の私立校がある文教エリアに立地しています

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